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今回ご紹介するのは
「マリアビートル」
伊坂幸太郎著
角川書店刊です☆☆
伊坂幸太郎さんの新刊なのですが‥
実は入院中にいつもお世話になってるＮさんに
差し入れていただいたのですが、
なんと読み終わるのに今までかかりました。
舞台は東北新幹線。
数々の殺し屋が登場。
その殺し屋たちがそれぞれの思惑を抱えという
物語です。
伊坂さんらしい作品だとは思うのですが、
私は流れるように読むことができませんでした。
「ゴールデンスランバー」のときもそうだったのですが、
どうもエンジンのかかりが遅いのです。
「ゴールデンスランバー」も後半にかけて
ぐっと好きになりました。
今回のこの作品もラスト近くはいいなあとは
思ったのですが、前半もたもたしていたのは、
中学生の「王子」のいやらしさがどうにも許しがたい
というか。
この「王子」にいいようにおもちゃにされている
元殺し屋の「木村」。
木村はアル中でだらしのない男ですが、
王子に子どもが怪我を負わされ、復讐しようとします。
しかし、王子にいいようにおもちゃにされる木村。
木村に同情するのと同時に、王子には嫌悪感しか
感じませんでした。
この王子の残酷さとエゴイスティックな描き方が
どうも私は好きになれず、
それが伊坂さんの狙いなのでしょうから、
私はまんまとそれに乗せられたのかも知れませんが、
久しぶりにこんな嫌な人間を小説で読みました。
それに引き換え、愛すべき殺し屋たち。
特に「七尾」と「檸檬」には可愛げすら感じました。
「木村」の両親はかっこよかったな。
塾の先生もなかなかのもんでした。
やはり伊坂さんは人間たちの描き方のツボを心得てる！
と改めて思いましたね。
いつもご覧いただきありがとうございます(*^^)v
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