平等ゲーム | チャウ子のそれでも本を読むのだ

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平等ゲーム/桂 望実
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今回ご紹介するのは

「平等ゲーム」

桂望実著

幻冬舎刊です☆☆☆

 

 

 

 

人間関係で嫌なことがあったり、世の中の

 

 

理不尽さに我慢できなくなったときに、

なんの争いもない世界があったらどんなに

いいだろうと考えることがたまにあります。

 

 

本書の舞台は瀬戸内海の小さな島「鷹の島」。

 

この鷹の島に住む島民はすべてが平等。

 

 

職業は抽選で決まり、島の収益は島民で山分け。

 

島の人口は1500人から1600人と決められており、

島の決まりはみんなの投票によって決まるという民主主義。

島から出た人間がいれば、本土から補充するという決まり。

 

 

しかし、誰でも島民になれるわけでもなく、

 

身辺調査を行った上で、島の勧誘係が話を持って行きます。

 

 

今回のこの本の主人公は勧誘係の芦田耕太郎。

 

耕太郎は島で生まれ育ち、この島を誇りに思っています。

 

 

この島には競争というものがないので、

 

耕太郎には他人に対する競争心や嫉妬心などが

理解できません。

 

 

耕太郎は勧誘係として、本土の人間をスカウトに行く度に、

 

カルチャーショックを受けるわけです。

そして、段々と島の隠された事実を知ることにより、

ほんとに「平等」というものが人間にとっていいことなのか

という疑問を抱きます。

 

 

今回この本を読んでいて、ひと昔前の「資本主義」VS「社会主義」

 

や、今社会問題となっている格差社会のことを考えました。

 

 

子どもの頃は、単純に人間は平等であると信じていましたが、

 

今、その問いを向けられると果たしてそうとは言い切れない

自分がいます。

 

 

この舞台の鷹の島では、島民は全員職につくことができます。

 

しかし、職を選ぶ自由はありません。

抽選で当たった職を4年間は全うしなければなりません。

 

 

自由と引き換えの平等がほんとに人間にとって幸せなのか。

 

純粋培養で育った人間が荒波に放り出されたときどうなるのか。

深いテーマです。

 

 

 

 

 

 

いつもご覧いただきありがとうございます(^^)v



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