「医業」というものは医師でなければ行ってはならないと、医師法によって規定されている。
しかし、介護の現場においては、介護職が必要に迫られて医療行為をやらざるを得ないことが多く、「介護職の医療行為」は長くグレーゾーンとされてきた。
それが大きく転換したのは平成17年のこと。厚生労働省が体温計による体温測定や自動血圧計による血圧測定、異常がない爪の爪切りなどについては医療行為ではないとし、介護職を含め、誰が行ってもよいという見解を明らかにしたのだ。さらに、昨年4月からは「社会福祉士及び介護福祉士法」の一部が改正され、たんの吸引や経管栄養の一部管理などが研修を受けた介護職に認められるようになった。

「こうした介護職への一部医療行為解禁の背景には、医療費の抑制がある」という。抑制のメインターゲットは高齢者。服部氏は医療保険別の1人当たりの医療費のデータを示し、協会健康保険が15万5388円、市町村国民健康保険が29万7260円なのに対し、後期高齢者医療保険は89万7084円と突出していることを指摘した。何しろ、「外来の約3倍の費用がかかる」(服部氏)入院患者の57.6%が70歳以上なのである。