東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の3県の医師の86.5%が、現在の地域で診療を続けたいと考えているものの、医師不足を実感している割合が高い岩手県沿岸部では68.7%にとどまることが、日本医師会総合政策研究機構(日医総研)の意識調査で分かった。日医総研では、「診療継続の意向には医師不足感が有意に影響を与えていた」と分析。「地域医療の復興ビジョンを示さないと、医師がほかの地域に流出し、さらに医師不足が進むことが危惧される」と指摘している。

調査は昨年8月下旬から9月中旬にかけて、3県の医師会員を対象に実施。3016人が回答した。これを県別に見ると、岩手が831人、宮城が1169人、福島が1016人。施設別では、病院が1101人、診療所が1777人などだった。

調査結果によると、「現在の地域で診療を継続したいか」と聞いたところ、「そう思う」が86.5%に上った。これを地域別・施設別に見ると、岩手県沿岸部の病院医師では68.7%、福島県沿岸部の病院医師では75.4%にとどまった。一方、宮城県沿岸部の病院医師では84.6%で、全体とほぼ同じだった。

一方、自身の診療科の医師が不足していると思うかどうかを病院医師に聞くと、68.5%が医師不足を感じていた。これを地域別に見ると、岩手、福島両県の沿岸部では80%超に上った。両県の内陸部ではいずれも70%超。宮城県では沿岸部、内陸部共に60%前後だった。

日医総研ではまた、現在の健康状態が悪い医師ほど、その地域での診療継続を望まない傾向が見られたと分析している。健康状態が「よくない」と答えた割合は、岩手県沿岸部(23.0%)と福島県沿岸部(23.6%)で高かった。