在宅がん患者の療養支援体制を整えようと、長崎大など県内の3大学は今月から、自治体などと連携して、医療・緩和ケアの専門人材を育成する取り組みを始めた。地域包括ケアの中で、在宅がん患者の療養支援体制を整備する必要性が高まっていることから、県内の自治体や医師会などの支援を受け、専門人材育成の拠点づくりを目指す。

文部科学省の大学間連携共同教育推進事業の一環として実施されたもので、長崎大と長崎県立大、長崎国際大における地域包括ケアに関する協働教育の充実を図るのが目的。3大学は、長崎県や長崎市など4自治体と、県内の医師会や薬剤師会など12職能団体の教育支援を受け、学生が在宅がん医療や緩和ケアに必要な専門知識を習得できる環境を整える。

取り組みの対象になるのは、医学、薬学、歯学、看護栄養学、健康管理学など8学部の医療保健・福祉分野の学生。代表校となった長崎大の担当者は、「合同授業や実習を通じて、自らの専門と異なる分野のケアに関する基礎力や応用力、実践力を身に付けられる」と期待している。大学間連携教育の質を高めるため、単位互換制度を取り入れ、在宅がん医療や緩和ケアに携わる専門職としての主体性や、多職種協働に必要な協調性を高めていく方針だ。

地域包括ケアの中で在宅がん医療に携わる県内の医師会や看護協会、歯科医師会、栄養士会、介護福祉士会などがノウハウの提供や教育支援を行う一方、大学側も地域の職能団体の人材育成を支援し、課題の共有化と取り組みの一体化を図る。3大学での取り組みは、5年間行われる予定。今後、医療と福祉専門職の人材育成の環境が活性化することで、▽地域の医療リスクの低下▽在宅医療環境の強化―などが期待できるという。