東日本大震災で大きな被害に遭った岩手、宮城、福島3県の沿岸部など42自治体で、要介護認定を受けた人が震災前の2010年3月末と比べ約1万2千人(12%)増え、今年6月末時点で11万39人となったことが、共同通信社による各自治体への調査で明らかになった。
東京電力福島第1原発事故の影響が深刻な福島県では2万9808人。最も増えたのが、全町避難が続く大熊町で50%増、次いで楢葉町の40%増だった。
認定増加は避難生活の長期化による高齢者の体調悪化が要因とみられ「震災で高齢化が加速した印象がある」(宮城県七ケ浜町)。仮設住宅での不自由な暮らしで心と体の機能が低下する「生活不活発病」の発症も目立つ。
一方、被災地の介護施設の復旧は遅れており、震災から約1年6カ月を経て、介護を必要としながら受けられていない高齢者が急増している実態が浮き彫りになった。
調査は8月にアンケート方式で実施した。対象は岩手の沿岸部12市町村、宮城の沿岸部15市町、福島は沿岸部と原発事故避難区域を含む15市町村。
42自治体の要介護認定者数は10年3月末時点で9万7827人。11年3月末は震災による死亡や転出による減少もあり、9万9050人と微増だった。しかし今年3月末には避難生活などの影響を受け、38自治体で大幅に増加するなど10万8007人になった。
今年6月末時点の宮城県の要介護認定者数は6万4299人(10年3月比で13%増)。多賀城市で27%、亘理町で23%増えた。岩手県は1万5932人(同4%増)、田野畑村で23%増だった。
要介護認定の申請は本年度も15自治体で前年度を上回るペースで推移している。しかし「安心感を得たい」「デイサービスを利用したい」との申請が多く、認定も要支援や要介護1といった軽度が増えているという。
一方で、岩手県釜石市の担当者は「被災高齢者の生活環境は激変しており、認知症など重度介護者の増加が懸念される」と指摘している。