コミック『幻魔大戦』感想 4 | 平井部

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19年完全版の特典、複製原画、額装してますおねがい

 

 

 

 

 

このサイズの額ってあんまりないんですが、ちょうどええ感じに大きさも色も収まりましたキラキラキラキラ 画像では分かりづらいですが、深緑です。

 

 

 

 

本題 ニコ

 

 

コミック版『幻魔』において、フロイは犬型のボディを持った超能力戦士として登場します。

 

如来的な悟りの境地に居るらしく、もう人格とか全く漂わせてなくって、一緒の戦艦で戦った仲であるベガですら気づかないほどに、犬そのものに見えます。

 

ちなみに、19年完全版掲載の “エピソード0”『宇宙の敗残兵』でも、艦長リナ、戦士ベガとともに、犬型超能力戦士としてフロイは登場します。

 

 

 

どうやって地球にやってきたかは語られませんが、まずルナ王女にコンタクトを取り、“フォースの伝授” 的な一幕もあったようで、戦列に復帰したルナ王女は、さらに自信と神的な能力を備えた逞しいリーダーに成長しています。

 

 

 

 

さらなるエスパー戦団を組織すべく、全世界に向けたテレパシーメッセージを送る一方で、幻魔の軍勢が襲来し、大地震によって東京全土が壊滅してしまいます。この辺も展開早い! 全土壊滅って…ガーン

 

 

 

雨のように降り注ぐ火山弾の攻撃を、なんとかしのいだでしたが、自らの未熟さを思い知らされ、休む間もなくフロイより下されたミッション富士山の火口に棲まう幻魔と闘うべく、単独で死地へと向かうことになる。

 

 

 

灼熱の富士山中にて、失意の丈をトレーニングするのが、ミニサイズのセントバーナードの姿をした、百一匹ワンちゃん的な、“フロイの子ら”です

 

 

フロイって、もしかしたらこの時も、地球だけじゃなくって宇宙のいろんな所で同時進行でミッション遂行してたのかも知れないですね。ここでは、意識のほんの一部を、丈の意識レベルに合わせる形で“転生”させて、ちょっと(かなり)厳しい状況だけれども、最適の形で能力の開発をさせるという。

 

 

ルナ王女も、ベガですら、「むごい」「万に一つも勝ち目はない」とフロイを非難する、丈の単独行ですが、実は彼を鍛えて、一流の超能力戦士へと覚醒させるための、避けられないプロセスだったことが分かります。

 

 

 

噴火する富士。燃え盛る樹々に、煮え立つ河川。

自らの無力を思い知る丈ですが、助けを求める動物たちの健気な姿に、気力を振り絞って歩み始めます。

 

 

苦難のの前にタイガーマンが現れ、飲み水を示して幻魔への服従をそそのかすシーンは、イエス・キリストの「荒野の誘惑」を想わせます。

 

 

富士火口内で遭遇する、“幻魔兵団の司令官” シグ

 

圧倒的な彼の力の前に、なすすべも無く破れ、無残に石化させられるですが、無敵に思える幻魔シグを退けたのは、三千子姉さまの “残留思念” でした。

 

 

愛 ですね…えーんえーんえーん

 

 

三千子の愛……人間の “意思の力の偉大さ” に気づいた丈は、ついに覚醒し「超新星なみの熱」を発する “人間ノヴァ現象” を発動させます。

 

 

かけがえのない戦友たち……ルナ王女、ベガ、サンボ、そしてフロイの真意と、思いやりにはっきり気づき、万感の思いを込めて「ねえさん!」……とつぶやく丈の姿は、本当に美しい

 

 

姿を表す幻魔!! この辺り、光輝を放つ東丈と、溶岩の海中にうねる幻魔の龍体を描き出す、石ノ森章太郎の筆致も冴え渡ります!! 美しい!!

 

幻魔の巨龍 ーー 富士を噴火させ、大地震で東京を壊滅させたその大幻魔を、“ノヴァ” から “超能力絶対0度” へエネルギー転換するという、フロイの子らも気づかなかった超高度な技を駆使して、丈はついに、たった一人で打ち負かすのです。

 

 

丈~~っ!!!笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 

 

 

 

わしを始め、小説版から入った読者の多くが、「超能力では幻魔に勝てない」、なんなら「超能力に意識を向けることすら悪」なんて思い込んじゃってますよね。

 

全く、GENKENの丈先生、影響力強すぎ!!笑い泣き

 

SF小説やのに!!

 

 

 

確かに、ラスボスの幻魔大王には、どんな巨大な超能力も通用しないと思うんです。最終的な勝利を目指すなら(つか、“勝利”っていう概念も微妙なんですけれど)、全地球的な意識の底上げを目指す……っていう方向も、間違いなく正しいと思う。

 

 

でも、「コミック幻魔の世界が、拙速に超能力に頼りすぎたせいで滅びちゃった」……みたいな認識は、間違ってますよとわしは言いたい!!

 

 

 

人間ノヴァ現象を発動する東丈、かっけくないっすか?!

 

おれはかっけーと思う!! 

誇らしく思う!!

 

これもう東丈少年コミック史上、最強でしょう?! 孫悟空にも勝てるでしょう?!

 

 

 

この時の丈は、「怒りに任せて超能力を激発」させたのではありません。全く!!

地球の生命を見護るべき、人類としての責任に目覚め、三千子姉さまの愛、戦友たちの暖かさを思い知って、彼らを護る為に巨大な幻魔に立ち向かったんです。

 

 

これが救世主のフォースの発露じゃなくて、何なんですか!!

 

 

 

 

幻魔サーガは多元宇宙の物語な訳ですが、それぞれの世界の住人が、別個で存在してるんじゃなくって、相互に影響与え合ってると思うんです。

 

例えば、角川幻魔の東丈が、急速に意識を拡大することができたのは、彼が天才だという以上に、コミック幻魔、真幻魔、さらにその他の世界の知識や経験を、重層的に得られたからなのですが、同様に、コミック幻魔での超絶のサイキック能力を、他世界の東丈も共有できたと思うんです。

 

勿論、お醤油借りるみたいに簡単にはいかないでしょうが、『真幻魔』中、DC-8 の機中で“覚醒”し、ルナ王女との“再会”を果たし、“過去の記憶を取り戻した” 際のだったら、人間ノヴァ発動できたはず!!

 

 

角川幻魔で、丈が自らの超能力を封じたのは正しかった。

 

なぜなら、思い出したらすぐに人間ノヴァとか発動できるから!! 

さらに修行せんでよし!!

 

 

 

 

『コミック幻魔』のキャラクター達、これ以上ないくらいに、それぞれの道を極めてくれたんだと思います。

 

きっと、幻魔に対抗するには時が遅すぎて、どんな道を辿ったとしても、滅亡は避けられなかった。

むしろ、司令官シグをたじろがせ、混乱させるほどに、善戦と言う以上の反撃を見せることができたのではないか。

 

 

 

東丈が見せたノヴァ現象、丈が秘めている「潜在能力の一つ」にすぎないと、フロイの子らは述べてるんです。(孫悟空でいうとスーパーサイヤ人2くらい?)

 

敵対する幻魔が次々来襲するという「これ以上ないくらいの修練の場」において、大超能力者フロイの直接指導の下はまだまだ超能力の巨人へと成長していったはず。

 

 

 

これ以降に分岐する、どんな世界の東丈よりも、コミック幻魔の東丈は巨大なサイキック能力の持ち主であり、その威力を、他世界にまで及ぼすことができる。きっとそれが、この世界が果たすべき大きな役割の一つなんだと思います。

 

 

 

 

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