数霊4 弥栄三次元 祝 諏訪大神建御名方刀美恵美須尊 | 平井部

平井部

平井和正愛好部

神社仏閣巡りレポ
& ほめほめ雑記


『数霊』フィクションシリーズ第四弾。

今作では諏訪大社の主祭神 建御名方(タケミナカタ)尊の封印を解く事が、主なミッションとなります。

エジプトから帰国して三週間。旅に同行した那川の送別会の為に訪れた戸隠の地から、健太、言納の数霊コンビの“新たな龍の道”が始まります。


まず、大学を卒業しても身の振り方が定まってなかった言納は、“食”の道に進むことを決意し、師と定めた「西野のお母ん(オカン)」が「むすび家」を開く福岡の地へと向かいます。

そんな訳で、今作には特に三次元的にも高次元的にも、食に関する教えがちりばめられているんですけれども、最も心に残ったのは、いわゆるジャンクな食物を食べる時にも、決して軽視せずに、「食べ物そのもの」にも「食べられる状況」にも感謝すべき…だという一文でした。自分の心の“波立(はりつ:波動の元)”ですね。



一方の健太は、日ノ本神宮、奥の院を開くこと、具体的には、諏訪 建御名方尊の呪を解くミッションを与えられます。



諏訪大社の祭神、建御名方尊とは、古事記によると、出雲の国譲り(国奪われ)の際、「国を譲ってもよいけど、判断は息子に委ねる」という父神 大国主神の意に背いて(?)、天津神系の使者 建御雷神(タケミカヅチ)と力比べし、敗れ、逃げ出して、諏訪の地で追いつかれて「もう背きませんから許して下さい…」と謝ったと……。

この辺りは歴史の勝者である天津神系に都合の良いように編纂されているようで、そもそも「タケミカヅチ」という「タケミナカタ」と非常に似通った神名を出して来たのにも意図を感じると、著者の深田剛史さんは数霊屋本舗でもおっしゃっています。




この建御名方の、出雲における本地が、現在の美保神社の辺りだと言われています。

美保神社……好きで何度もお参りしました……。
弓ケ浜と美保神社


美保神社の現在の御祭神は三穂津姫命事代主神さまですが、元々は御穂須須美命(ミホススミのミコト)一柱であり、それが建御名方尊であると。

その御穂須須美命は、地主神社という美保神社の小さな摂社にて、今は祀られています。

で、「須須美の恵」を反対に読むと、「恵美須(エビス)」となると。



ぜんぜん繋げるつもりはなかったのですが、先日2月12日の下市の「初えびす」の日に玉置にお参りできたのにも、なんだか意味があったように思えてきます。


建御名方の兄神とされている事代主神は、出雲の神ではなく、葛城方面で勢力のあった「鴨一族」の「田の神」であったと。

この地の高鴨神社は全国賀茂神社の総本宮とされていますが、ニギハヤヒ尊の拠点があったという京都の上賀茂神社・下鴨神社とはルーツが違うのかもしれません。



本書はフィクションなので、エビスさん=御穂須須美命=建御名方の説がとられていますが、まだまだ解明すべき謎は多いようで、深田剛史先生は今も足繁く諏訪に通って、フォールドワークを続けてらっしゃるようです。詳しくは数霊屋本舗にて。

深田先生、久しぶりにお逢いしたいなあ…。



健太の迷いと奮闘、それに交差する時空を越えた空海トット(ツタンカーメン)の願い、そして示されるキーワード “太陽神殿”とは??


いくつもの要素が見事に結実するクライマックス。

今作も凄いっす(^_^)。



去年の秋に果たせなかった諏訪詣で、どんな形で実現するのか、すごく楽しみです。