さて、せっかく湖北に来たのですから、ぜひぜひお逢いしたい観音さまがいらっしゃいました。この湖北という土地は、十一面観音さまの里として有名で、素晴らしい観音さまがたくさんいらっしゃるんですけれども、中でもこのお方は、人気実力(?)ともに屈指の十一面観音さま。言うてみたら「仏像界の吉永小百合」でしょうか。その気品を兼ね備えた美しさに、異を唱える人は決していないと。
湖岸道路から8号線に出て、30分ほど北上し、「十一面観音」という思いっきりそのままの表示に従って右折(^_^)。車を停めて、細い路地を歩いてゆきますと、田んぼと民家に囲まれた、本当に普通の田園風景の中に、そのお寺さんはひっそりと在ります。
国宝の十一面観音さまがおわす渡岸寺。こちらに来るのは二度目ですが、本当に雰囲気の穏やかで明るいお寺さんです。

山門。

山門を、お仁王さんに挨拶しつつ潜り、市川ゆいにゃんの握手会に赴くブラザー達みたいに逸る心を押さえて、まずは本堂へ。こちらの拝観は「ご自由に」とのこと。靴を脱いで障子を開くと、正面に端正な阿弥陀如来さまが座してらっしゃいました。しばらくおろがみ。

本堂。
さあ、目指すあの人は、隣の収蔵庫です。
拝観料300円を払って、ときめきつつ内部へ。
ううっ、居はります、あの人が……。オレを待ってくれてはります。
先に向かって右側にいらっしゃるこちらも素敵な仏像群を拝見して思うサマ心をじらしてから(^_^)、憧れのかの人にご対面……。
ちょっと小柄になった? って思ったのは、オレの中で存在を大きく膨らませすぎていたのでしょうか。
き、きれ~(涙)
十一面観音さま。もうこのお方、「美」の極致ですね……。日本国内はもとより、世界的に見ても、こんなに美しい彫像はそうないのではないでしょうか。
こちらは、専用収蔵庫ですので、観音さまの周囲に柵がしつらえてあって、ガラスを通さずに直に、360度方向からゆっくりと鑑賞することができます。同じ空気を吸える。
をを、後ろ姿もまたセクシィ……。天衣の帯すら艶かしいです。
お顔は、ちょっと異国風の顔立ち。斜め横から拝すると、笑顔に見えて、正面から観ると、少し寂しそうなお顔。男性的な強さと、女性的な優美さを併せ持ったお身体。いくら観ていても、見飽きることはないですね。
普通の十一面さまとは、頭上の面の付き方が独特だったり、耳飾りをされていたりと、少々趣きが異なります。どういう経緯で、どんな仏師が創ったのか、なんだかすごいストーリーが秘められていそうです。やっぱりこちらの十一面さま、唯一無二でしたです。
http://www.biwa.ne.jp/~kannon-m/mapjava/douganji.htm
国道沿いのお寿司屋さんで、海鮮どんぶりをいただいてから、帰路についたんですけれども、あと一カ所、どうしても寄ってみたいお宮がありました。イザナギ、イザナミの二柱が祭神としてまつられている、多賀大社です。
彦根を過ぎた辺りで8号線を左に逸れて数キロ。駐車場から300mほど歩いて、民家の間の路地を抜けると、いきなり正面が、多賀大社の鳥居でした。

あらっ、もう一見して、すっごく晴れ晴れしいというか、ぱっと明るい雰囲気のお社です。駅に続いているらしい参道にも、風情のある土産物屋さんが並んでいて、とっても良い感じ。
太閤さんが寄進したらしい太鼓橋を渡って、神門を潜り、境内中心部に。

すごいっ、この華やかさはなにっ?! すごいきらきら。
いろいろなお社にお参りしましたけれど、こんなに「陽」の気を感じられるところは初めてです。

本殿もきれ~。すっごい華美華美!
拝殿から、奥の本殿に向かって、幾重にも建物が連なっている感じで、その造りそのものも、装飾も、本当に美しいんですよね。ちょっと霧島神宮に似ているかなあって思いました。
ゆっくり拝んでみましても、うんうん、明るい、女神さまの雰囲気……。
祭神のイザナミ神というよりは、アメノウズメの命が、天空で喜びの舞いを舞っているような、そんな「祝賀」の印象を受けました。
本殿横手にあります、摂社の金咲稲荷さんは、一転してしんと静まった雰囲気。
他にもとっても素敵な摂社がたくさんありまして、時間をかけてゆっくりお参りしたかったんですけれども、オカン連れでしたので、そうもできなかったのが少し残念ではありました(^_^)。
多賀大社、本当に素敵な神社でした。大好きスポットに追加です。(あ、ちなみに、こちらの鎮座される場所は「犬上郡」でした。)
お土産の糸切り餅も、すっごくまろやかで美味しかったです。
今回は、いずこでも女神さまを感じることができた、とっても幸せなお参りでありました。湖北ならびに滋賀県、すごい良いです。まだまだ行きたい場所満載! 住みたいくらいかも。