……いいましても、なんだかいろいろありまして、まだぜんぜん紅葉気分ではありませんで(^_^;;、早起きして遠出するつもりが、思いっきり寝坊……。まあ元々予定も何も決めてませんでしたので、ふと頭に浮かんだ円成寺にお参りすることに致しました。
円成寺は、奈良市内から柳生方面に向かう道筋の、かなり山深い場所にあります。学生の頃から、なぜかこのルートが好きで、よくツーリングに行ったものでした。
般若寺の辺りから、東大寺の大伽藍を見下ろしつつ、国道369号線を東に。
道を挟んだ20台ほど停められそうな駐車場は、ほぼいっぱい。やっぱりシーズンなので流行ってるみたいです。
ああっ、きれい奇麗! 入り口の石柱横の紅葉は、真っ赤に色づいています。色づきとかまったくチェックせずに来たんですけれども。

まずは、境内の下方にあります池の周辺を散策。晴れていましたが、風が強くって雲がどんどん流され、時折陽がさえぎられます。そして寒し……。ダウン着ていてちょうどいいくらいでした。



楼門 今は使われておりません



松茸 1箱3000円 境内すぐ横の茶店で
石段を登って受付を済まし、小さな山門から境内に。

まずありますのが、お不動さまが祀られている護摩堂です。ちょうど陽が射してきて、周囲の紅葉がめちゃ奇麗でした。


こちらのお不動さま、すごい好きかも……。
人間比でちょっと小さいくらい。魁偉な中にちょっぴりキュートさ。ふわふわヘアーに、ぷっくりした眉が可愛いです。
なぜかすっごく心惹かれて、かなり長い間見とれてしまってました(^_^)。
向かって右に空海さん左に僧形の文殊さん。文殊さんはやっぱり僧形とかでない方が良いです。
もっとも楽しみにしていた宝塔の中の仏さまは後回しにして、次に本堂へ。

お、落ち着き阿弥陀さま……。
まるで五劫思惟さまみたいなゆ~ったり落ち着き感です。
丈六よりは少し小さい感じ。お身体の金箔はよく残ってまして、きらきら感満載。
正面から拝すると、優しく瞑目してらっしゃるように見えます。
すっかりリラックスしてしまって(^_^)、ぼんやり拝んでおりますと、なんだかすごいにっこにこ笑ってらっしゃるように見えてきました。
こちらは、阿弥陀さまが西方浄土から迎えに来られる様子をそのまま模しているということで、内陣の柱には二十五菩薩の姿が極彩色で描かれ、庭園の池も極楽を表して造られているそうです。
お堂のぐるりにもたくさんの仏さま。
左手にいらっしゃるのが、創立当初のご本尊であったという、十一面観音さま。像高1メートルくらいで、こちらもほんわりキュートな仏さま。
角におわすのは、仏太子像。聖徳太子二歳の像ですね。
あんまり子らしくないので、笑ってしまいつつ、二歳にして思わず人生相談してしまいたいくらいの悟りっぷりでした。
めっちゃ格好良かったのが、阿弥陀さまのお厨子を護る四天王です。
こちらも像高1メートルくらいですが、彫りも彩色も素晴らしくって。
阿弥陀さまは、横から拝すると、ちょっと厳しいお顔立ちでした。
一通り拝んだところで、団体さんが来る気配がして、慌てて御朱印書いていただき。
せっかくなんで、一緒に説明聞かせていただきました。
団体さんが去るのを待って、最後にひと拝みしようと阿弥陀さまの前に座しますと、ちょうど西日がお堂の隙間から射してきまして、阿弥陀さまのお身体もきら~ってオレンジに輝いて。
ありがとうございました。
逆光に輝く紅葉を思うさま撮影してから、楽しみにしていた宝塔に。



こちらには、かの運慶が初めて造ったという大日如来さまがいらっしゃるんです。
ただ、国宝で前にガラスが嵌ってしまってますんで、反射を避けつつ、顔をガラスに近づけて。
若々しい端正なお顔……。美しいです……。
処女作にはその作家の後の萌芽が全て詰まっている……ということ、よく分かります。
この頃になると、わりと多かった雲も全て流されて、上空奇麗~に晴れ渡っておりました。
夕陽を透かす紅葉がすっごく奇麗で。


期待以上に楽しませていただいて、ちょっと沈静期だったぼくの心も少し和らぎました(^_^)。今年はちょっと遅れ気味の紅葉ですが、その分長く楽しめそうですね。
秋を満喫しましょう~!!