文化な一日 見仏篇 | 平井部

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平井和正愛好部

神社仏閣巡りレポ
& ほめほめ雑記

 昨日17日は、大津のびわ湖ホールで行われた、ギタリストの村治佳織さん奏一さん姉弟のギター・デュオ・コンサートに行ってまいりました。

 この日はなぜだか朝からめっちゃ精神的にダークで、おまけにひどい暑さと湿気で機嫌が悪い所に、出がけに電話回線のセールス電話がかかってきたりして、もう気分最悪の状態で車で出発いたしました(^_^;;。ほんまなんのダークさやったんでしょう……。


 まず向かいましたのは、大津市の瀬田にあります滋賀県立近代美術館。こちらの企画展『祈りの国、近江の仏像』がまさにこの日から開催されるのでした。乗れてる!

 初めての場所でしたが、京滋バイパスに沿って東に行き、瀬田の「文化ゾーン」を目指したらなんとか辿り着きました。
 ををっ、さすが文化ゾーン。奇麗な庭園の湖をはさんで、緑に溶け込むように美術館の建物が建てられています。ゆっくり散策……するには、この日は蒸しすぎでしたが(^_^;;;。

 入館し、まずはなんの期待もせずに入った常設展ですが、これが素晴らしかったです! 小倉遊亀(おぐら・ゆうき)さんという滋賀出身の女性画家の作品をメインに、ぼくでも名前を知っている日本画の大家の作品が惜しげもなく展示されていて。



 かなりゆっくり鑑賞してから、企画展の方に。

 す、すっごい! 仏像の群れ!! 

 一目でフォースが感じられるキラ星の仏像さま達が、広い展示会場に居並んでらっしゃいます……。こ、こんなすごいとは思わなかったです(不覚)。


 まず入って正面にいらっしゃる大岡寺の薬師如来さま。なんてユーモラスな方なのかしら(^_^)。かなり金箔がのこっているきらきらお姿に、あえてデフォルメしたようなまあるい輪郭。少しお身体歪んでたりして、そこがまた愛らしくって地方仏の魅力でもあるんですよね。

 その前の惣持寺の天部形立像さんもすごい! お顔はまんま名古屋章!
「天部」ってことは、天王の誰かではあるけれどはっきりしない……ってことなんでしょうか(^_^)。ちょっと木地が融けかけてるのも味の一つでした。

 その横、永昌寺のお地蔵さまと、善水寺の帝釈天さま立像は、お奇麗……。
 おそらく同じ工房のお産まれだろうとのこと。

 その対面、正福寺の十一面観音さまは、横から見ると薄いのが面白かったです(^_^)。み手もほっそり。でも絶妙のバランスで。

 半丈六の阿弥陀さま二躯もお奇麗でした……。同じ仏師から産まれたご兄弟。もしかして数百年ごしの初対面だったりするのかも知れないですね。

 常照庵のお不動さま、二童子はめっちゃなめらかな柔らかさ。
 お不動さまも愛らしいですが、前の童子、とくに向かって左の子のやさぐれ具合は素晴らしかったです(笑)。必見!

 大日コーナーでは、何度かお逢いしました、石山寺の大日さまがやっぱりすごかったです。目ヂカラはんぱなくって、遠くから見てもキラって瞳輝いてました!
 三十三ヶ所でお参りした、長命寺の大日と四天王もお奇麗。普段塔の中にいらっしゃるので、金箔と彩色がいまだ鮮やかで。


 展示は、深緑が基調になっていて、仏像の金や木地がすっごく映えて、奇麗でありました。


 お地蔵さまコーナーですごいのは、正福寺の半跏地蔵さま。めっちゃ異形感! 頭部うしろ頭が軽いエイリアンみたいにでっかくって。ツタンカーメン一族なんでしょうね。あれだけ脳大きかったら、さぞすごいフォース使わはったやろうと思いました。切れ長の眼、黒いお肌、金の宝珠。

 福明寺のお地蔵さま坐像はほんわりと。めっちゃふくよかで、布袋さまみたいな福福しさ。

 クライマックスは三井寺(園城寺)の金剛力士像!!
 三井寺の山門でお逢いした方ですね。生で見られるなんてすごい!
 身長3mくらいですが、これくらいだったら動き出しても違和感ないですよね。血の色を滲ませた玉眼がカッコいい……。阿形、吽形、ちょうどお二人のするどい視線の中央に立って、しかられるサマを思い浮かべてびりびりきてしまいました(笑)。



 正直あまり期待していなかったこの展示、すごかったです! 約五十体ほどの仏像がいらしてたようで、そんなんお寺どっこも空ちゃいますのん?……って心配になるほどでした。

 滋賀は「仏ゾーン」で、すぐれた仏像が沢山あることは知ってたんですが、名前も知らないお寺にこんなすごい方達がいっぱいいらっしゃるんですねえ。奥深すぎて歓喜!

 この秋、この展示と連動して、「神仏います近江」と題して、ほか二館でも仏像の展示が行われるようなんで、これはぜひ行ってみないといけません! 



続きまっす