通常は、お楽しみは一番後に残しておくんですけれども、この日は時間のある限りお山を回りたかったので、いきなりクライマックスの電王スタイルで(^_^)。

でかい~っ。
屋根を見上げながら仁王門を潜り。こちらは金網が張ってありませんので、阿吽像のお姿がよく見えます。とくに阿形さんの方が格好良かったです。横顔が素敵……。


樹々に囲まれた薄暗い通路を進み、陽光で一杯の本堂前広場に。
こちらは、仁王門は北向きですが、本堂の蔵王堂は、山を下ってくる修験者を迎えるために南向きになっています。
う~ん、勇壮~。いつみても感動。そしてなんとはなしに落ち着く感じ。

境内はかなりの参拝人で賑わっています。3年前の御開帳の時は、数日間でしたので、かなりの人出でしたが、今回も入堂する列が途絶えないくらいでした。
拝観料を払って昇殿しますと、お堂のぐるりを回ってからではなく、いきなり正面のご本尊が見える場所に上がる形で。
鮮やかなお肌の青が眩しい、身長7メーターほどの巨大な権現さまが3体……。
はあ……。かっこいい……。
丈六の阿弥陀さまなどに対面すると、初めにふと恐怖感を感じてしまったりするんですけれども、これだけ迫力があると、逆にほんわり和んでしまいますね……。
まず、向かって左の権現さまと、中央の権現さまが拝める位置に。
お顔の頰の張りぐあいが絶妙。怒っていながら、どことなくほんわり優しい。
肌の青色を初め、彩られた色彩はほぼはっきり残っております。
中央から、右から、また左からと、いろいろな場所から思うさま眺めさせていただき。
写真で見ると、少しパースが狂っていて、コミカルにも見えてしまうんですが、実際拝むとぜんぜんそんな風には思えないです。やっぱり仏像は、実際に拝む状況を考えて造られてるんですね。
この蔵王権現さまは、役の行者小角が修行中に“感得”した神様で、初めはお釈迦さま、観音さま、弥勒さまのお姿だったのが、もっと迷える衆生を救えるようにと祈念したところ、このような憤怒のお姿になって現れられたのだとか。
少し離れて、巨大な柱が立ち並ぶ堂内を見上げてみると、権現さまの頭上に、それぞれ元のお姿の懸仏がかかっていました。
次いで、堂内右手の仏像群を。
まず小角さま。こちらの小角像は、薄暗くってほとんど見えない状態におかれているからか、しんと鎮まった雰囲気がありますね。老齢の小角さんの雰囲気。
通路を進むと、まず聖徳太子さん像。ティーンの頃に、病に倒れた父君である欽明天皇を見舞う、「孝養太子像」の一つですが、この聖徳さん、なにやら上目づかいでニヤっとほくそ笑んでる感じで、どうも孝行息子に思えないのが面白かったです(^_^)。
隣が、釈迦如来立像。
この方がめっちゃお奇麗!! 像高は3メートルくらいかしら。お堂の端から射してくる光に照らされて、ご本人が慈愛の光を発してらっしゃる感じ。清涼寺の方に次いで、好きになってしまったかも。
鬼門の場所におわす木目が麗しい蔵王権現さま、お堂を一度出た後方にある本地堂で、お産まれになったばかりのお釈迦様、弥勒さま、十一面観音さまを拝み、お堂に戻って、北西の角に祀られた歓喜天さまを拝み。薄い幕がかけられた暗い場所にいらしゃるので、お姿をはっきりは拝せません。後の桜元房で知ったことですが、小角さんの護持仏が歓喜天さまだったそうです。
最後に、内陣に入らせていただいて、蔵王権現さまにご挨拶。障子で区切りが作ってあって、マンツーマンな感じで対面させていただけるんです(^_^)。
うるうる憧れの瞳で、凛々しい面立ちを見上げ……。ありがとです!!
御朱印を頂いてから、心を残しつつお堂を後に。
丸1時間以上、ゆっくり過ごさせていただきました。
こちらの御開帳は今年の12月9日までですので、ちょっとでも心のセンサーが反応した方はぜひ。すごい方々ですから!!


続きまっす