ならまち見仏 新薬師寺 | 平井部

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 最後に、十数年前にお参りして以来ご無沙汰しとりました新薬師寺へ。あの時は確か本堂改修中で、東門から入った記憶があるのですが、今は南門の方に受付があります。(この辺りはならまちとは言いませんが、まあ固いことはなしで。)

ときめき見仏記-東門
東門


 門を入るとすぐ正面に本堂があります。先に左手の地蔵堂などにお参りしてから本堂へ。

ときめき見仏記-本堂
本堂


ときめき見仏記-地蔵堂
地蔵堂



 入堂すると、お薬師さまが横向きで座ってらして、その周囲を十二神将たちが取り囲む形です。
 まずはやっぱりお薬師さまに。

 なめらか~。
 よくテレビや本でお顔は拝見しとりますが、実物はやっぱりオーラありますね。仏さまにはめずらしいぱっちりと見開いたつぶらな瞳と、すっと縦長の美しい掌が印象的。座高191.5cmということですが、もっと大きく感じますね。と言いましても、威圧的な感じではなくって、ふわっと包み込んで下さるようなおおらかさ。
 瞳とすらっとしたみ腕のせいか、どことなくエキゾチックな雰囲気です。平安期にお産まれだそうですが、こんなに表情豊かな仏さまってめずらしいですよね。

 この薬師さまの向かって右横に、小さな牛さんがちょこんと座ってはるのが可愛かったです。あれは何なんでしょう。
 光背には小さな薬師さまが六体いらして、全部で七薬師さま。
 つい先日、ふと見たNHKの番組で知ったのですが、この新薬師寺はもともと、横幅が今の東大寺超の50m以上ある大伽藍に、七仏薬師といって七体の薬師如来さまが並んで鎮座されるという、めっちゃ壮大なものだったそうです。創建は奈良時代で、東大寺の大仏殿とほぼ同時期。聖武天皇の病平癒を願って、光明皇后が命じて創らせたとか。

 今の本堂は別の用途で建てられたもので、ご本尊も七仏薬師が失われた後、平安時代に造られたもののようですね。光背の六体と合わせて七薬師という、セブンのソウルは受け継いだということでしょうか。
 いろいろな角度から薬師さまのお姿を見つめながら、金色に輝く七仏薬師の雄姿、脳裏に描いてみました。


 十二神将は、やっぱり有名なバサラが格好良かったですね~。オリジナルの彩色がCGで復原されて、すぐ前に画像が掲げてあります。
 グッズ売り場に、30cmくらいの十二神将像が一体3000円くらいで売っとりましたが、自分へのクリスマスプレゼントとかに……は正直いらないですね(^_^)。そんなにリアルでもなかったですし。15cmくらいでもっとリアルやったら欲しくなるかも。


 お堂を出て、しばし境内を散策。
 隣の香薬師堂には、「おたま地蔵さま」っていう、なんと地蔵仏の中から出てきた裸身の地蔵さまという、めちゃ珍しい方がいらっしゃるのですが、通常は拝観できません。テレビ見仏記に収録されとりましたので、機会があればぜひ(^_^)。

ときめき見仏記-石仏
お稲荷さんの脇にいらした石仏たち



 お寺を出た時点で4時半くらいで、終了まで30分ほどありましたので、すぐ近くにあります奈良市写真美術館にて入江泰吉さんの傑作展を鑑賞。素晴らしかったですね。入江さんはずっと奈良の写真を撮り続けてこられた写真家なのですが、「一瞬をフィルムに焼き付ける」ことへの執念を感じました。もっとゆっくり見るべきでした>自分。

 帰りはすっかり暗くなった路を歩きで。かつての新薬師寺の発掘現場などを眺めつつ。
 昔は、この辺りまで普通に元気に歩いて来てたんですが、今回なんだかすっごい疲れました(涙)。まあよう考えたらほとんど休みなしではあったんですが。いろいろなことが身にしみる初秋の夕暮れ……。猿沢の池のほとりで休憩したりしつつ、近鉄奈良駅までたっぷり40分かかりました。

ときめき見仏記-土産
猿沢の池に続く土産物屋さん
こんなに賑わっているのは珍しいです


 それにしても、午後から歩いて回れる範囲で、こんなにすごい仏さまたちに出逢えるなんて……。やっぱり奈良はすごいですね。さらに奈良シリーズ、続きますかも(^_^)。