久しぶりに普通の見仏記です。
今日は奈良国立博物館で行われております特別展『仏像修理100年』を観てまいりました。
今回そもそもすごそうなんが、今までの本館が「なら仏像館」として生まれ変わった(!)らしいんですよね。まあ本館って今までもすっかり魅惑の仏像満載の館やった訳ですけれども、さらに名称に冠してまうってとこに博物館さんの意気込みを感じますよね。これは行かねばなりますまい。
近鉄奈良駅で入場券を買ってから(此処やと前売り料金で買える)、徒歩で若草山方面へ。途中修学旅行生の大群と一緒になって、こいつらみんな博物館行くんちゃうやろうなあ……ってどきどきしましたが、興福寺の方に曲がってくれて一安心。
昨夜から来ていた台風、風雨は夜のうちにおさまってくれたものの、まだどす黒いもくもくした雲が頭上で渦巻いておりました。直射日光ないのは助かりましたが、ひどく蒸し暑かった……。
ほどなく博物館に着き、まずは新館の『仏像修理100年』展より。
まああれですね、仏像の修復というものが始まったそもそもの成り行きから、仏像一つ一つの修復の行程を図示&立体で説明してある感じ。
まず正面にど~んと東大寺南大門のお仁王さまの修復過程。
印象に残ったのは、“オレの寺”である東寺さんの巨大な十一面千手さま、法華堂の弁財天さま、などでした。
東寺の十一面さまは、お堂そのものが焼失してしまって、黒こげの中から今のお姿に修復されたそうで、数百年の中で何度か修復される中でお顔も微妙に変化し、最新の修復では、最初期のお顔の復原を目指したのだとか。う~ん、次またお逢いするのが楽しみ。
まあ修理の展示ということで、模刻や模型が多くって、“本物”の仏像は少なかったです。「うわっ! 百済観音おるっ!!」ってびっくりしたら、やっぱ模刻でした(笑)。見応えはありましたが、やっぱ本物のミステリアス度には敵わないですね~。リビングには要らんな。
本物で凄かったのは、鎌倉の円応寺というお寺の十応像さん(うち三体)。
閻魔さん的な方々なんですが、もう怒りの顔の迫力が凄かったです。あれは獅子入ってます。ふと見上げたら中央の初江王坐像さんと眼が合ってしまって、あまりの眼力に思わず逸らしてしまいました……。これはぜひ元のお寺でお参りしてみたいかも。
次に東大寺のお不動さま……。
この方、めっちゃ迫力……。ほんま怒ってはります。
(人間比)等身大よりすこし小さいくらいで、ルックスはちょっとほっしゃん。に似てるんですけれども、その怒りフォースはすごいです。体型が南米のインディオを思わせるお腹ふっくら体型なのが、呪術的なフォースをより感じさせ。
この方いつもは何処に居はんねんろう……。ぜひお堂でお逢いしたいです。
地下の通路で少し休憩してから、旧本館のなら仏像館へ。
す、すごかったです……。もうほんま、博物館さんの意気込みは確かでしたっ!!
一つ一つ感想を書いてたらキリがありませんので、ほんますごかったとだけ。
中でも圧巻は、東大寺法華堂の金剛力士像さん二体!!
かっこえ~~ッ!! こ、こんなかっこえ人やったんすかっ!?
何度もお参りしている3月堂こと法華堂。いつもは大好きな不空羂索観音菩薩の脇にいらっしゃるんで、そんなに注目してなかったんですけれど、メインで舞台に立たれたら、め、めっちゃ格好ええですやんっ!!
区切られた特別会場に、阿形吽形のお二人のみ。
キンキのお二人みたいに、スターオーラありましたです。
異人を思わせる……というより、異人をモデルにしてるやろうくらいの彫りの深い整った顔立ち。初期東映アニメのキャラみたいな、アンバランスなのに不思議と違和感を感じさせない体躯とポージング。素晴らしいです!!
国宝重文当たり前な、すごい仏像群にふらふらになりながら、最後に鑑賞……というかお参りしたのが、浄土寺さんの阿弥陀如来立像……。
め、めちゃくちゃお奇麗でした……。
3メーターは超すであろう麗しいお姿に、ひたすら魅入ってしまい……。
いつかはお参りしたい兵庫の浄土寺さん。ご本尊と同じく、この方も快慶作だそうです。
まさに心を洗われるような優しいお顔を、かなり長い時間見つめてしまっておりました(^_^)。快慶って群を抜いてます。すごい。
そんなこんなで、仏像館の法華堂金剛力士像さま、この方々を拝むだけで十分900円の値打ちはありました。こちらは常設ではないと思いますので、時間の許す方はぜひお見逃しなく。ほんまに凄いです!!