オウチでは全く料理をしない夫は
単身赴任のときは ときどき料理をしてたの。
LINEで写真を送ってくるものの
全く食べさせてもらえなかったワタシは
未だに 「男の手料理」を 食べた頃が ナイ。
正確に言えば
外では男性のシェフが作った料理は 食べてるけど
「素人の男の料理」は 食べたコトが なかったのだ 
先日のこと。
義父ドノが 「（俺の）手料理を 食べにこい」
と 連絡してきたのだ。
隠居していた 義父ドノが 最近 自宅で料理を作りはじめ
「そのうち （作った料理を）食べにおいで おいしいぞう」と
何度か言っていた。
今までは 義母ドノの手料理か 店屋物だったので
コレを聞いたとき
「おっ ついに男の手料理が 食べられるんだ」
ち 楽しみにしていたのだ。
ちなみに義父ドノは 営業職が長かったので
仕事柄 イイモノをよく食べてた
つまり 舌が肥えている。
その義父ドノの手料理とは どんなもんなんだろう。
ワクワク 
夫と二人 指定された日時に おじゃました。
すると
義父ドノは 料理の真っ最中だったんだよ。
夫と二人で 義父ドノの背後から 料理を覗いてみたの 
料理は 手羽先の酢醤油炒め煮込み。
トーゼンながら 義父ドノのオリジナルではなく
使っているお酢についてたレシピを見て 料理してたよ。
忠実に 
どうして「忠実」なのかというと
レシピの材料は 手羽先５つ とある。
食べるのは 義父ドノ&義母ドノ そして夫とワタシの４人。
となると 手羽先５つでは 足りな～い。
しかし お皿には 調理済みの手羽先が５つある。
夫とワタシが覗いたときは ２回目だったのだ 
「……………」
「……………」
料理に慣れた人だったら
「んん～ 手羽先を １５ほど料理したいから
３倍の調味料を使って 一気に作っちゃえ」
と なる。
がしかしっ
義父ドノは 忠実に 作ってたねぇ 
まぁ まだまだ初心者だもん。
と 微笑ましい気持ちで 見守っていたのだが
ココで事件が 起きたのだ。
義父ドノが トレイに置かれた生の手羽先を お箸を使って
フライパンにひとつづつ 移してたトコロ
手元が狂って 落としてしまったのだ。
フライパン横に置いてた 調理済みの手羽先の上に 
義父ドノは 何事もなかったように
調理済みの手羽先の上に落ちた 生の手羽先をフライパンに入れた。
そして そのまま 調理を続けたのだ。
生の手羽先に触れた 調理済みの手羽先は そのまま～ 
「！！！！！！」
声には出さなくても 神経質な夫は 真っ青だ。
ワタシも まぁ 「ありゃま」とは思ったものの
義父ドノに意見ができる人間は
この家庭に存在しない。
料理はそのまま 続行され 終わったよ 
お味はねぇ 美味しかったよ。
さすが レシピ通り 忠実に作っただけある。
でも
オウチに帰宅してから夫は
「どうしよう お腹壊したらどうしよう」と
その日は一日 騒いでたよ。
ワタシは まぁ お酢の力に祈るのみ だったねぇ。
実際 二人とも お腹は壊さなかったよ 
義父ドノは 夫とワタシが帰るとき
「豚のバラ肉で んまい料理があるんだ。
今度はそれを 作ってやるよ～」 
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