D1GPオートポリスを終えて…
実際にこの3年間のD1GPオートポリスの結果を振りかえって見ると、コウダイの成長や我々が何をして挑んでいるのか分かります!
【 D1GP2020オーポリ(1年目)】
ラウンド4:予選16位→追走1回戦負け
ラウンド5:予選5位→追走1回戦負け
↑単走98.2点の走り!
エンジンの調子が悪くて(結局、原因はECUだったんですが…。)苦労したのを思い出します…。
2020年シーズンが終わって、シーズンオフに外装をすべてカーボンにして、100キロの軽量化をしました!
2020年マシンの重さが1500キロあったのを、2021年は1400キロまで軽量化しました!
レギュレーションは1270キロなので、もともと他の選手より、230キロ重いのから、130キロ重いまでなりましたが、話にならないほど重いです。
【 D1GP2021:オーポリ(2年目)】
ラウンド9:予選落ち
ラウンド10:予選7位→追走1回戦負け
↑単走97.5点の走り!
そして、オーポリの次のラウンド、えびすの時…
エビスラウンドで派手にクラッシュしまして、ここで昨年のシリーズはすべて終了となりました。
2022年の3年目に向けて…
マシンもクラッシュしてフレームも曲がってしまったので、このインフィニティを廃車にして、別のマシンで行くのか、どうするかの選択を迫られました。
コウダイの意思を尊重しようということで、ミーティングをした時の話…
ということで、2021年のオフシーズン
①2021年よりも、さらに50キロ軽量化した(1350キロ(他の選手より80キロ重い)
②シバタイヤを作った(285/35R19 TW280)
③VR38改43、エンジンは開幕までに間に合わなかったので、VR38のまま行くことに
④コウダイ、練習機で追走の練習をいっぱいしました!
そして、2022年が開幕!
2022年が開幕するもの、第1戦~第5戦まで、予選は通るものの追走で勝てない!
8月21.22日のD1GPえびすラウンド終わった後、追走で勝つ為に何が足りないのか、考えまくった結果、この時点で…
①パワーが足りない
②タイヤのグリップが足りない
③トラクションが足りない
④追走技術が足りない
来年VR38改43を搭載する予定で、すでにエンジンは製作が完了していました。
ツインターボをシングルターボにする為に、すでにタービンは手に入れていました。
※シングルスロットル用のサージタンクだけ開発中の状態。NTTデータザムテクノロジースさんと共同で部品の開発をしていたので、それを東京オートサロンで発表して、2023年シリーズに投入予定でした。
がしかし、来年を待ってられられないので、途中まで出来ているものだけを先行で投入することを急遽決定!
D1GPえびす→D1GPオーポリまでの、59日間で…
①エンジン載せ替え、シングルタービン化、エンジン位置変更、ECUのバージョンアップ、セッティング等をすることにする!
②285/35R20を投入すべく、新しく金型を作りTW200でタイヤを新規で作る!
③前ラック化して逆関節が入らないようにするのと、ジオメトリーをラジコン(GRK)のノウハウで、トラクションがかかるようにセッティングする!
④ドライビングシュミレーターを導入して毎日追走の練習をバーチャルで行う!実車も練習用のS15シルビアを作り、ひたすら走る!
↑これら全部普通はオフシーズンに行うことで、シーズン中にやるやつはいないと思います!
※タイヤは完成後、すぐに検査機関に出して、レギュレーションが無事にクリアー出来たので、D1GPにライセンス申請!
マシンは、D1GP2日前にギリギリ完成して、YZで1時間だけテスト走行して、とりあえず動くこと確認して終わり!
ほぼ新車の状態で現地入り!
練習日が、事実上のシェイクダウン!
全部やり直ししてしまったので、これが吉と出るか、凶と出るかは、一発勝負!(しかも練習もなし!)
【 D1GP2022:オーポリ(3年目)】
↑大会2週間前(10/12)に書いたブログです!
今回は『勝つ!』という意識を持っていたので、ブログにも勝ちたい!と書きまくってました!
その結果…
ラウンド6;単走優勝→追走準優勝!
ラウンド7:単走優勝→追走準優勝!
という結果になりました。
ラウンド7では、単走99.9点!
↑ぜひ1年前、2年前と動画を見比べてみてください!どれぐらい成長しているか分かると思います!
すべてにおいて圧倒的な走りになっています!
シバタイヤの新作285/35R20(TW200)、皆様見ての通り、爆煙で鬼グリップでした!
クソ気合い入れて、金型から作ってよかった!
エンジンが1200馬力になって激速&鬼トルク120キロ!になりました!
※もっと出そうと思えば出せます!余力を持ってこれです!
フロントもリヤも、ラジコンのノウハウを頼りに、GRK開発主管の221さんとコウダイで、ひたすら妄想セッティング→実走を繰り返して、鬼トラクションがかかる、いいところを見つけました!
結果、鬼トラクションになりました!
鬼トラクション、鬼グリップタイヤ、鬼アクセル全開なので、濃い爆煙になるのです!
そして秘密兵器ガヤファクトリーさんのシュミレーター!シュミレーターでひたすら練習した甲斐がありました!一緒に練習して頂いた皆様、本当にありがとうございました!
D1GPえびすラウンドから、59日間、この日の為に、すべての力を注いで、やれるだけのことをすべてやりました!やりまくったら、いろんな意味で「覚醒」しました!
と、ここまでが今回のレポートになりまして、この結果を踏まえて、今の気持ちを書きたいと思います。
↓これえびすの直後にかいたブログですが…
↑今もまったくその通りだと思っています。
やるといったら絶対にやるし、何もしないで負け続けて悔しい想いをしながら生きていくとか死ぬほど嫌だし、このブログで何度も書いていますが…
D1GPもFDJもベスト8以上で勝つってのは、ある一線を越えてないと絶対に勝てないのです!(ベスト8以上になると誰が勝ってもおかしくない世界)
ベスト8以上で偶然にも勝って優勝するということは絶対にないです!
D1GPでベスト8以上で戦うには…
①マシンの戦闘力と足回りのセットアップ力
②タイヤのグリップ力
③ドライバーの腕
これが必要で…
FDJでベスト8以上で戦うには…
①マシンの戦闘力と足回りのセットアップ力
②タイヤの使い方
③ドライバーの腕
これが必要になります!FDJは、タイヤについてはレギュレーションで厳しく縛られていますので、どのメーカーでも同じような感じになるので、タイヤのグリップ力どうこうではなく、タイヤの使い方が重要になります!グリップ力に頼るのではなく、タイヤを使いこなすのです!←それも面白い
DIGPもFDJも、そのベスト8の一線を越えると、見える世界が変わってくるのも事実で、今回のオートポリスで2連戦して、単走が2回とも優勝できて、追走で2回とも決勝まで行けたということは、もう奇跡でもないし、もう運でも偶然でもないです!
我々が、その一線を越えることができたという事です!
D1GPに参戦して今年で3年目、その壁を超えるのに、実質2年半ぐらいかかりました!
この2年半、我々が何をやってきたか、このブログに全部書いてありますので、D1GPやFDJに参戦して、優勝を目指すすべての人にとって、ここまでやれば「頂」にいけますよ!という一つのバイブルのようになるのではないかと思います!
今年のシーズンが始まって、いろいろやってるのに全然結果がでなくて、この勝利の「頂」はいったいどれぐらいの高さなのか?暗闇の中をいくような感じでしたが、ようやくその「頂」がはっきり見えるところまで来ました!
ブログを読んでる人は、柴田よ、ドリフトの為にそこまでやる?と思ってる人もいると思いますが、もはやここまでやらないと登れない山がD1GPとFDJだと思います!
参戦する以上、その山の頂を目指し、挑戦することに楽しさがあると俺は思います!
さて…
1日目は、ベスト4が確定した瞬間に、表彰台が確定したので、いろんな思いがよみがえって涙が止まりませんでした!
メカニックに送られる「ベストメンテナンス賞」も頂けまして、これが実はめちゃくちゃうれしかったのです!
会場にはきてないけど…
⚡エンジンの載せ替えたりセッティングをしてくれるチューナーのみんな
⚡ぶつけた車を直してくれたり塗装をしてくれるレストア部門のみんな
⚡レーシングカーのシールをデザインしたり貼ってくれるスタッフ
⚡レース用のタイヤを保管して、大会に確実に準備してくれるタイヤスタッフ
⚡ホテルや飛行機やご飯の手配をしてくれるコンシェルジュスタッフ
⚡レーシングカーを現地まで無事に運んでくれるトラック運転手
⚡レーシングチームがないときに、会社に残って会社をまわしてくれるシバタ女子スタッフ、メカニック、保険部門のみんな
⚡すこしでもトラクションがかかるようにとラジコンを開発しながら、実車の足回りのセッティングもやってくれるラジコン部門のスタッフ
⚡めちゃくちゃレースでお金を使うけど、なんとか会社をまわしてくれる財務と経理と法務のスタッフのみんな
⚡レースの模様をSNSにアップしてくれる広報のスタッフ
ほんとに柴田自動車すべての40人のスタッフが一丸となって生きてるからレースすることができていると思います!
そのすべてのスタッフが報われた気がしました!
これだけのスタッフがいないとレースは出来ません!
※レース期間中、問い合わせの返事とか遅れちゃって、お客さんにはご迷惑をおかけしておりますが、皆さん待っていただけるので、ほんとレースってお客さんの協力もあってだと改めて思います!
夜ごはんの時も、コウダイもスタッフもメカニックもみんなずーっと泣いていました。
それぐらいみんなうれしかったんです!
そして、実は感動は2日目にも起きていました!
2日目の表彰式の時に、ふと観客席を見たら「蕎麦切広大」の応援プレートを掲げている沢山のファンの皆様の姿を見て、涙が止まりませんでした!
表彰式って、本当に最後の最後で、めちゃくちゃ遅い時間だったにもかかわず、めちゃ沢山の人がコウダイの表彰式を見る為に残っていてくれました!(写真は拡大しているので、少ししか映っていませんが、スタンドにバラバラですが、めちゃ沢山の人がいてくれました!)
もう一度気を引き締め直して、戦いに挑みたいと思います!
そして戦いを楽しみたいと思います!
まだ追走で優勝していません!
まだ「頂」まで行っていません!
このブログを読んで頂いている、7万人の皆様!
もしよろしければ…
D1GPのえびすラウンド!(11月12.13日)
FDJの富士ラウンド!(11月19.20日)
お時間あれば、ぜひ見に来ていただけませんか?
ドリフトの生の迫力をぜひ楽しんでいただければと思います!
YOUTUBEで伝わらない、生のサウンド、生の爆煙、生の緊張感、味わっていただきたいと思います!
今年もあとたったの3戦しか残っていません!
これが終わると、オフシーズンで、来春まで大会がありません!
シーズンが終わったら、来年に向けて、インフィニティもGR86もまた大幅な改造を施します!
D1GPのインフィニティは、究極のVR38改43を完成させます!足回りをさらに進化させてスタートダッシュと旋回中の速度を上げるトラクションを探し出します!軽量化もやります!まだまだやれることがあると思っています!そして、来年はタイヤのレギュレーションが変わりますので、このオフシーズンに新型のタイヤを作ります!コンパウンドは今回のを基本にさらにもっとグリップするコンパウンドを開発します!エコ規格タイヤで、めちゃくちゃハイグリップなタイヤの作り方が分かってきました!TW200を進化させます!
FDJのGR86は、2Jを下ろしてVR38改41を搭載します!VR38のエンジンチューニングが分かってきたので、GR86には2JよりもVRを搭載した方が、重量バランス的にもよくなると思うのでそうします!シーズンが終わったらすぐに製作にかかります!来年はFDJで勝って、次の年はFDUSAに行きたいと思っています!FDJのタイヤについては何を使うかはオートサロンで発表をします!
今年の仕様が見れるのは今年だけです!
さて、最後になりますが…
今年1年やってきて、TOYOの加藤さんに出会えたことが、俺的にはめちゃくちゃ最高です!一方的に、俺は加藤さんが大好きです!
ほんとにいつもドリフトに限らずいろいろなレースの世界のこと、もちろんタイヤのこととかも話をしてくれて、いろいろ人生のアドバイスもしてくれたり、ほんと良き先輩というか、加藤さんに出会えたことが最高です!(笑)
TOYOの皆さんも俺のブログを読んでくれているようなので、ありがとうございます!
ほんと人間味のあるタイヤメーカーさんですよね!
マジでTOYOさんが大好きです!(笑)
残りのD1GPえびす、そして来年以降、赤と青で戦いまくりましょう!(笑)
楽しみで仕方ないです!
さて、最後の最後になりますが…
日産自動車とインフィニティの皆さん!
大変長らくお待たせいいたしました!
なんとか戦えるようなところまでやってきました!
もう少しで皆様が作ったマシンを日本一の「頂」まで連れていけそうです!
↑FDJ USAに出ることになったら、インフィニティQ60で出ようと思っています!
その時は、よろしくお願いいたします!(笑)
一緒に世界一の「頂」を目指してください!
もう一台、インフィニティQ60買ってありますし、D1GPで積み上げたノウハウは相当だと思います!
最高のレーシングカーに仕上げて、アメリカに行きます!
インフィニティは、俺的にはスカイラインクーペの最終形だと思っていますので、GT-Rとはまた違うアプローチで、スカイライン屋として、究極のレーシングカー作れると思っています!(我々はスカイライン屋)
世界で我々だけがインフィニティでレースをやっていること、それを「誇」に思っていますので、日本で勝って、世界に行きます!一緒に行ってください!
最後の最後の最後に…
新しいタイヤを金型から作って!って言って、こんな短期間で作ってくれるレイダンは世界最強タイヤメーカーだと俺は思います!レイダンと組めてよかった!
今回のタイヤは、マジで最高でした!ほんとすげぇ技術だと思います!
124サイズ×6TWも、こんなに小ロッドで対応してくれて、ほんと日本のみんなは感謝しています!
ぜひ東京オートサロン2023に来て、みなさんの作ったタイヤをはいて走ってるファンに会って頂きたいです!
最後の最後の最後の最後に…
コウダイ、ほんと今までよくがんばったな!
コウダイと出会ってもうすぐ12年!
コウダイが中学生の時、鵜沼のマックにいって一緒にマック食いながら…
将来、絶対に一緒にD1GPでバチバチの追走をして優勝しような!
って約束したあの日から、ほんと今まで、こんな俺を信じてついてきてくれてありがとう!
途中いろいろあったけど、もう少しで俺たちの「夢」が叶いそうやな!
コウダイが中学生の時、ドリフトラジコンでバチバチの追走をする姿をみて、ラジコンみながら鳥肌が立って、ラジコン走ってるの見て涙を流すことがあると夢にも思ってなかったけど…
あれから12年、あの時、ドリフトラジコンでバチバチの追走をした、あの時のような追走が、実車で出来るようになってきたな!
スタートから完全に食らいついていって、パキッとふって、そして振り返してから、アクセルオンで全開で旋回していく!
ラジコンの時に「コウダイスタイル」と言われていたドリフトスタイル。
ドリフトラジコンを昔からやってる人なら、みんなコウダイの走りを見たことがあると思います!
あれを実車でやることが、俺たちの「夢」だった!
やっとできた!少し出来た!
俺たちのやりたかった追走!
ちなみに…
2日目の川畑さんとの決勝戦ですが、チームオーダーは先行で100点狙い!99.9じゃなくて100点狙い!後追いは、12点フルマークでした!
絶対に置きに行くな、ぬるく走るな、角度はつけろ、全開で進入して全開でフレ!
圧倒的な走りで、圧倒的に優勝をする!
我々はこれをやりにD1GPに行ってるので、先行で98点ぐらいでそれなりに走って、後追いでそれなりにポイントをとって勝つとか考えてないです!
若いうちからそんなことやらせたら、それが癖になっちゃいます!
強いドライバーになる為には、そういう極限状態で走らせるべきです!
歴代のD1GPのチャンピオンたちが、全開の走りでD1GPを作り上げ、そして熱狂的なファンを作ってきたので、我々も全開で走るしか選択肢はありません!
圧倒的な追走バトル以外、ファンの人も見たくないと思います!
おいて走るとすぐにバレるし、命がけで走ってるから、その走りをみて感動するんです!
もちろん失敗したっていいんです!
↑で、コウダイやりすぎてミスる!俺たちらしい(笑)もう一度追走のシーン見返してみて下さい!
いつもより全開でストレートを走って、全開で振り込んだら、制御不能になっています!(笑)
本人も、やっちまった!ってなってましたが…
これが成功していたら、とんでもない歴史に残る「追走」になっていたと思います!
後追いも、だいぶ出来るようになってきました!練習の成果が出てきました!
俺たちが目指している「追走」をやる!
そんな自分たちの追走が出来た時、コウダイが決勝戦で最高のビタビタの走りができた時、はじめて「優勝」できると思います!
今回優勝していないので、まだまだってことです!
それでいいのです!
でも皆さん!コウダイが、D1GP3年目で、こんな追走ができるようになったんですよ!(^^)
つい最近まで、一回戦ボーイですよ!
勝ち負けは、結果です!
それは結果なので後付けで良いです!
次、同じようなシチュエーションになっても、同じようなチームオーダーにしますので、圧倒的に勝つか、圧倒的に負けるかしかないです!
ファンの皆様、スポンサーの皆様、そんな我々のチームの生き様をぜひ見て頂ければと思います!
ブログを読んでいる皆様、ドリフト面白くないですか?
いろんな意味でいろいろおもしれぇ!
っていう方、ぜひ「イイね!」をクリックしてみてください!(^^)
ということで、久しぶりの長文となりましたが、残りの3レース、全開でいきますので…
引き続きよろしくお願いいたします!
シバタイヤ 代表 柴田