よく問い合わせで(電話とかで)、R31のオフセットは、いくつがいいんですか?と聞かれます。ヤフオクでこんなサイズのが出てますが、R31に装着できますか?とかも聞かれます。
ずーと、22年聞かれ続けています。
その質問をしてくる人には、すべて適当に答えています(笑)
適当というと、聞こえが悪いですが、それには、理由があります。
オフセットというのは、非常に奥が深く、そして、正解がないからです。
正解がないから、このサイズ!が完璧ですよ!とは、100%私は言いません。
その理由を説明します。(この話をブログに書くのは、22年専門店やってますが、初めてです。)
これは、私が、22年前に作った、オフセット計算シートです。(なにげにネット初公開)
22年間、愛用しています。
ベースの紙にR31の車体のボディの状態を数値化していて、メモリがついています。
とりあえず、8.5Jのホイールで話をすすめます。
フロントのキモは、内側です。Mスペック車高調の場合、ストラットの位置がここになります。(ZEALの場合、あと5mmストラットケースが太いので、Mスぺって書いてある横の車高調って書いてあるところが限界です。
内側が当たるところが、当然、最大値になります。
8.5Jの場合は、こんな状態になります。
+16で…
ホイールの外側は、ボティがツメオリしてあってツライチの状態のところにきます。
ちなみに、ローダウンした状態で、ツメオリをしない位置は、DR21って書いてあるところなので(その昔、ローダウンバネといえば、Kg/mmのDR21が主流だったので(笑)その名残です)、8.5Jのホイールは、ツメオリをしないと、ホイールとタイヤがフェンダーに確実に当たります。
逆に、ツメオリをしたくない人は、8.5Jを選んではダメだということです。8J以下にする必要があります。
しかし、そんなぬるいオフセットはダメだ!もっと限界まで攻めるんだ!という人には…
車高調を取り付け、キャンバーを全倒しにして、タイヤを205とかでひっぱって、鬼扁平にして、ドシャコタンにする場合、外側の限界は、このあたりまできます!!”キャンバー限界超ひっぱり”ここが、R31ボディの限界です。これ以上行きたい場合は、フェンダー加工が必要になります。(フェンダー加工をすると、なんでもアリになるので、今回は、解説しません。)
その時の、オフセットは…
つまり、フロントに8.5Jを入れたいんですが、オフセットっていくつがいいですか?と尋ねられたら、私の回答は…
-10~+16の範囲と答えます。 範囲が広くて、適当でしょ?
同じ8.5Jでも、なんと、オフセットだけみても、26mmもの差が出るのです。
普通の人には、その意味がなかなか理解できないと思います。
足回りというのは、当然、車高を上げたり、下げたりできますし、特に、フロントは、キャンバー、トーイン、ピロテンションロッドを入れたら、キャスター、ピロロアアーム入れたら、トレッドなどをいじれますので、それだけでタイヤの位置は変わってきます。あとは、ナックルで、キレ角も変わります。
また、同じ8.5Jであれば、タイヤの選択肢は、205~235になると思います。
ホイールを選ぶときに、大事なことは…
①車高をどれぐらいにするのか?
②タイヤサイズをどするのか?(ひっぱるのか?外径をいくつにするのか?)
③アライメントをどするのか?(特にキャンバー)
④フェンダー加工はどうするのか?(ボディ加工するのか?)
⑤ツライチを狙うのか?電車な感じでいくのか?
⑥日常に使えるぐらいか?ショーに出すレベルでいくのか?
⑦スポークの形状(特に逆ぞり系のやつ)
⑧リムの形状(深リム好きな人)
⑨キャリパーの形状とサイズ(リムの逃げ)
これをお客さんと膝を突き合わせて、真剣に商談をしない限り、ホイールのオフセットは、計算できないということです。
ちなみに、その理論でいくと、7Jをフロントにはく場合、オフセットは、-28~+37まで、なんと65mmも差が出るのです。
だから、7Jで、オフセットいくつにしたら、いいですか?と聞かれると、-28~+37で、好きなのを選べばいいんじゃないですか?と適当に答えます。なぜなら、その人が、どういう用途で、そのホイールを使うのか、問い合わせでは分からないからです。
そんな回答されて、じゃ、いくつにしよう!なんて、普通なるわけがないです。
このサイズは、はけますか?と逆にきかれても、-28~+37の間なら、俺は装着できる自信があるので、「いいんじゃないですか?」と答えます。でも、そのホイールが、実際にはけるかどうかは、私にはわかりません。なぜなら、それを装着する人に、装着できる技術があるかどうか分からないからです。 勘のいいひとなら分かると思いますが、ホイールはオフセットの問題ではなく、装着する為のノウハウと技術力の方が大事なのです。
当然、リヤも同じことがいえます。
私のオフセット計算シートは、5J~13Jまで対応しており、机上で計算できるようになっております。(この紙に、この22年の実測値が書き込まれています。)
なので、電話で聞かれても、そういう意味で、俺は、嘘偽りなく、最小値と最大値をお伝えするので、ものすごく適当に答えられた感じがすると思います。
このブログを読んだら、その最大値と最小値の意味が理解できると思いますが、この話を、電話で説明するのは、不可能だと思います。
俺の話をしたそのサイズの中であれば、間違いなく大丈夫なのです。ただし、それには条件があります。
タイヤのサイズ、車高具合、アライメント、ボディ形状(加工)が、すべて完璧のバランスで初めて成立する話なのです。
当然、最大値や最小値付近のサイズのホイールを買う場合、相当なリスクが発生します。
ホイールのJ数、オフセット、タイヤのサイズ(幅、扁平、外径サイズ、ひっぱり具合)、車高具合、ボディ形状(加工)、アライメント、場合によってはスペーサー、そして、キャリパーのサイズ、あとは前後のバランス。
31は、新車時から、左右の出面が違うので、同じオフセットでも、左右でツラが変わってくるという、落とし穴もあります。(昔は、ローターの厚みを旋盤で削って、出面の数ミリを調整していたりした。)
あとは、ボディにエアロやマッドガードが付いているいない、ボディの雰囲気、車から出ているオーラ、車体の色とホイールの色、スポークの形状、リムの深さ、タイヤの形状とひっぱり具合、すべてが完璧で、めちゃかっこいい車が出来ると思っています。
GTS-R純正は、15インチ、7J+25です。
私のGTS-Rは、18インチ、8.5Jと9.5Jです。
これ、めちゃ自然に見えますが、相当考えてセットアップされていますので、素人がこれをやろうと思っても、ハンドルがきれない、走行するとタイヤがボディにあたるなど、装着不可能だと思います。
何がいいたいかというと、すべては、バランスなんです。
そして、ノウハウと技術力です。
車屋がオフセットを決めるって、全身全霊、もはや命がけですよ。完全オーダーオフセットとかのホイールなんか、どれだけ悩むか分かりません。
オーダーオフセットは、メーカーから車屋への挑戦ですからね。
フェイス形状、リム幅、キャリパーの逃げ、前後バランス、タイヤのサイズ&銘柄まで考えなくちゃいけないですからね。
それを、きっちりキメてくるのが、プロの仕事だと思います。
ホイール選びで失敗したくない人は、俺に生で相談するのが一番だと思います。なぜなら、俺が、R31とオフセットにクソ詳しいからです(笑)
すべては、いろんなホイールを何回も頼んで、たまには間違えたりして、積み上げてきたノウハウなんです。
うちでホイールを買うときは、当然、定価ですが、定価の意味があります。
その人の為の仕様用途に合わせ、その完璧なサイズを俺が考えるからです。
どんなホイールにするか”考える代”というのがあるとすれば、それはノウハウなので、本来であれば、金額換算できないほど高額なのですが、定価で買っていただいたら”考える代”は、サービスしておきます!なスタイルですが、本来であれば、商品が定価で、プラス”考える代”を加算してもいいはずなんです。だって、めっちゃ時間かかるもん。考えるの。 しかも、ミスったら、俺の責任やし。4本で100万するホイールとか、まぁまぁ痺れます。
当然、タイヤのサイズも、銘柄もみんな違います。タイヤのサイズと銘柄も、めちゃくちゃ大事なんで、めっちゃ考えます。
通販は”考える代”がないので、安いに決まってます!安い理由は、オフセットを自分で考えなくてはならないからです。しかし、どういう結果になろうが自己責任です。
車屋にオフセットやタイヤサイズを聞くって、レストランに行って料理人に秘伝のレシピを聞くぐらいなことだと俺は思います。(普通、教えないんですよ。間違えた言われても困るし。)
また、イベント会場に行って、かっこいいな!って車のホイールのオフセットを見ようとしても、ホイールの内側に貼ってあるサイズが記載されたシールは、大体剥がされています。自分が一生懸命調べたオフセットを誰にも知られたくないからです。
1年ぐらい前に、メーカーの人間もきてくれて、1日かけて、めちゃくちゃオフセット計算してやっとこさオフセットの数値をだしたのに、近所のホイール屋が安いんで、そこで買うんで数字だけ教えてください!って言った奴がいましたが、さすがにそりゃねぇだろ、って震えました。
繰り返して言います。これからも、うちにオフセットを問い合わせする人は、これからも俺に適当に答えられます。理由が分からない人は、ブログ最初から読み返してください。
なんで教えてくれねぇんだよ!って人も、理解できるまで、ブログを何度も読み返してください。
本気で、かっこいい車を作りたいと思う人は、俺に会いに来てください。としか言えない。
そして、俺から、永遠1時間ぐらい、オフセットとホイールとタイヤについて、うんちくを聞かされてください(笑)
弁護士でも、1時間4万ぐらい支払わなくてはありません。
デリヘルも、1時間2万が相場です。
俺との相談は無料ですが、俺と過ごす時間は、お金で買えない時間、その価値は十分にあると思っています。
そうやって、うちの車たちは作られていくので、見た目にかっこよく、機能的に素晴らしい、R31が作られていくわけです。
なぜなら、めちゃくちゃ考えられて、作られているからです。
だから、22年も専門店をやってられて、これだけ日本中の人が、ここに来るには、それなりの理由があると思うのです。
そんなこと、いちいち言わないし、俺も、22年やってて、オフセットのこと、今回、初めてこの内容のブログ書いたし。もっと言えば、ホイールだけじゃなくて、車作りのこと全般に、ブログにいちいち書くわけないです(笑)
ノウハウなんで。
たかだか、オフセットだけで、ここまで奥が深いんですよ?
足回り、ブレーキ、たこあし、マフラー、触媒、パワステ、エアコン、どれだけの部品が、車についてると思います?
そして、それぞれの部品に、どれだけのノウハウがあって、部品が開発されていると思います?
ただ単に、はい部品作りました。
そんな単純で簡単に部品が作られていると思います?
知らない国に行って、知らない工場に行って、知らない人に、知らない言葉で、すべてを伝えて、それを商品化するって、どれぐらい大変なことだと思います?
メーカーが、廃盤にする部品を、何百万、何千万って、私が私財を投じ、CADで図面をかき、金型をつくり、量産するって、どれぐらい大変なことか分かります?
チャーハン食いに、台湾やタイに行ってると思っています?(^^)
蓄積されたノウハウの凄さ、技術力、部品を開発する凄さ。
これをいちいちお客さんやユーザーさんにブログで伝える必要はないと思っています。
なぜなら、それが俺の仕事だし、お客さんは、今日も明日も、何も考えずに、何も変わらない日常を、普通にR31が乗れる生活を送ってくれたらそれでいいからです(^^)
すべての大変なことは、俺がやればいいんです。
事故ったときは、うちのスタッフが、マッハでレスキューで助けにいくし、事故後は、俺が示談交渉するし、それがうちで保険に入るメリットでしょ?俺の脳みそ、22年のノウハウが、うちで保険に入るだけで、タダで使えるんですよ?
30年前の車、事故ったら、時価格で揉めるに決まっとるやん。
通販型のやっすい保険で、R31の価値も分からん人に、どうやって、その価値を交渉してもらうの?そんなことできるの?
事故って困ってる人を沢山見てきましたが、なんでうちで保険に入らんのやろ?って、もはや不思議で仕方ないです(笑)
荒海にゴムボートで旅に出るようなもんじゃないですか?
俺は、こうやって、22年生きてきましたし、これからも、俺のもっているノウハウは、すべてはお客さんの為だと思って生きていきます。
とまぁ、久しぶりに長文ですが、今日、思ったことを書きました。