実家から持ってきたお盆を見ていてふと「このロゴのお店はとっくに潰れてるな」と思った。

「そう言えば、大学の入学式の時に着た地味なツーピース、ここで買ったなぁ」と思い出した。 
当時、主婦だった母はクレカなんて持っておらず、高額な服は分割払いのできる洋装店で買うしかなかった。
服って、高いものだった。そしてうちは裕福ではなかった。

分割払いのために、毎月お店に支払いに通う必要があった。振り込みなんてシステムなかったみたい。
そうやって苦労して買った服たち。貧しい時代を乗り越えてやっと手に入れた物は、その思い入れも含まれているので単なる「物」と割りきることができず、棄てることを躊躇させ、溜まっていく。

厳しい戦後を生き抜いた人たちにとって断捨離って単純に「物棄て」で済まされるものじゃない。なかなか説得に応じない母親に手を焼く娘、って構図がテレビ番組でたくさん登場するけど、どちらも、よくがんばってるよね。