未知の自分へ
声を掛けるなどと言う行為はしたことがなかったから、その後自分がどうなるのか分からなかったが、ダイビングする気で、思考を停止させて、パニックに陥ったまま、声を掛けた。声は高くなり、弱く、震えていた。掛けられた黒髪の丸顔の、目の大きな、色白の女性は、言葉よりも私の体の動きに反応してこちらを意識していた。私から離れながら歩き、目を合わせずに速度を速め、過ぎていった。少しだけ、目見開いていたのは、「こんばんは、よかったらご飯食べませんか」という台詞が聞こえていた証拠か?
それ でも、それだけだった。必然に笑顔となり、周囲の目がきになり、少し気持ちよくもあったのは、思いを遂げたからだ。思ったよりも簡単だった。自分はいつもとかわらぬまま、すこしいい気分のまま、立っていた。どうにかなってしまうというのは、杞憂だった。
それ でも、それだけだった。必然に笑顔となり、周囲の目がきになり、少し気持ちよくもあったのは、思いを遂げたからだ。思ったよりも簡単だった。自分はいつもとかわらぬまま、すこしいい気分のまま、立っていた。どうにかなってしまうというのは、杞憂だった。