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継ぐ者 源義経 〜鬼の弟〜 [源頼朝戦記 続編]
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出陣の支度に沸く二条城へ、朝廷の輿が静かに寄せられた。
輿から降り立ったのは、関白・二条晴良。
公の使者としてではなく――
亡き頼朝の、友として。
老いた関白が、鬼の弟に託すものとは。
挿絵1:ハイライト
二条晴良「ほう、なかなか味わい深い」
二条晴良は満足げに、梓が点てた茶を口にした。
二条晴良「茶は……点てた者の心を、表しますな。
誠に、不思議なものよ」
挿絵2:ハイライト
晴良は二条城から望む、京を囲む山々に目を向けた。
二条晴良「頼朝殿さえおらねば――
帝も、私も、今頃は御所を離れ、穏やかで気楽な毎日を過ごしていたはずでござった」
苦笑いを浮かべる。
挿絵3:ハイライト
二条晴良「頼朝殿の罪を背負うのは、その鬼の弟。
帝は、そう承知の上で、免罪符をお約束なされた。
そなたを、見ておられたのでござる」
静かな言葉であった。
しかし、その一つ一つが、義経の中で響く。
挿絵4:ハイライト
二条晴良「何者かが、手段を選ばずに動いておるやもしれませぬ。
そのような者が動くとき、最も恐ろしきは――」
晴良は、そこで咳き込んだ。
梓が心配して駆け寄り、その背中をさする。
挿絵5:ハイライト
徐々に、晴良の顔色が悪くなっていった。
それでも晴良は、腹に力を入れて、言葉を絞り出す。
二条晴良「帝のお言葉を、お伝えいたす」
挿絵6:ハイライト
義経は顔色が優れぬ晴良の手を取った。
義経「拙者の知らぬところで、晴良様のように心を尽くされている御仁がおられた。
それも理解せずに、自らの未熟ばかりを責めていた己を、恥ずかしく存ずる……」
晴良も、義経に手を重ねた。





