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但馬、竹田城。
水源を守る出城で、秀長は身を横たえていた。
起き上がる力も、もはや残ってはいない。
それでも、その男が縄張りした砦は、毛利の大軍を跳ね返し続けている。
――やがて、水を運ぶ隊が襲われたとの報が入る。
挿絵1:ハイライト
源頼家「爺!これまでにない大軍が、こちらへ向かっておりますぞ……!」
秀長「他の砦との繋ぎは、取れておるか」
源頼家「途絶えた砦もござるが、いずれもよく踏みとどまっております!爺の備えには、まこと、頭が下がりまする!」
挿絵2:ハイライト
この若者をこの出城へ伴ったことは、戦の理としては正しかった。
――だが。
頼朝の遺した子を、ここで失うかもしれぬ。
その恐れと悔いが、日を追うごとに、秀長の胸を締めつけ始めていた。
秀長「無理はなさるな。この城が危うくなれば……竹田城へ、お退きくだされ」
挿絵3:ハイライト
秀長「二手に分かれよ。回り込め……!」
大声を出したつもりであった。
だが、口から出たのは、声ではなかった。大量の、鮮血であった。
挿絵4:ハイライト
秀吉「秀長よ……これでは、久々の盃が、交わせぬではないか」
秀吉は、光の消えた弟の瞼を、そっと手で閉じた。
そして、その身を抱きしめる。
嗚咽は、戦場に満ちた無数の声の中に、かき消されていた。



