「どっちも正しいとか意味わからないよ。ホント大樹君って頭悪い。」
「おう、俺は頭悪ぃよ。」
ニコニコしながら答える大樹に康平は呆れた。
「なに、頭悪いとか威張ってんの?」
「うん? 威張ってはいねぇけっじょな。」
サンタさんは居るも居ないもどっちも正しいんだって。ハルちゃんが言ってた。と幼稚園で喋る大樹に康平はムカついていた。
『なにがハルちゃんだよ』
康平は大樹が嫌いだ。いつだって幸せそうに笑ってる。いつも友人に囲まれている。頭悪いことしか言わないのに。
こっちが大樹の言う事は変だと指摘しても
「だってハルちゃんが言ってたもん。」
と大樹が言うだけで、コスモス組のみんなは「ハルちゃんが言ってたなら合ってるな」と大樹の味方をする。
『ムカつく』
「俺はうまぐ説明でぎねぇからみんな俺ん家に来で。」
という誘いにも本当は行かないつもりだった。
けれど、相手がなんと言っていたのか分からなければ反論も出来ない。
「たかが高校生の男だろ?」
康平はつぶやく。小さい頃からIQが高い、天才だと言われてきた。大人の言うことなど大概は戯れ言だ。簡単に論破してやる。
「大樹君って嘘つきだな。」
大樹の家のクリスマス会の部屋に着いて一言発した。何が「俺ん家、貧乏だがら、今まではクリスマス会でぎねがったんだ~。」だよ。普通の家より大きいじゃないか。
それにハルちゃんの事をコスモス組のみんなは「あんなお兄ちゃん欲しい」って言ってたのに。
『髪短いだけで女じゃんか』
サンタクロースの格好をしている。隣にはトナカイの格好をしたすごくカワイイ女の子。友達だろうか? 仲が良さそうだ。
「ねぇ。ハルちゃん、サンタさんの話して~。」
「うん。じゃ、みんな集まって。紙芝居作ったから。」
コスモス組の子たちがはしゃぎながら、ハルの前に集まる。
『紙芝居? なんか子どもっぽい人だな』
康平は子どもなのにそんな事を思う。
紙芝居は、Xmasはキリストの聖誕祭で、七面鳥を食べてお祝いをするお祭り。
そのお祭りの日に貧乏で何もお祝いのご馳走を用意できない姉妹が暖炉に干していた靴下に煙突から金貨を投げ入れたおじいさんが居た。
その人の名前が"聖ニコラウス"
サンタクロースはその人のエピソードが発祥だという説がある。
そういう内容だった。