第6感-Ⅷ | ロガリズム

ロガリズム

読んだ本の感想と、戯言です。戯れてあげてください。


「傍に居たいって言ったのは嘘じゃない。」

楠原君を見つめて、ゆっくりと話す。

「カズヤ君への気持ちの方が、一般的には恋愛感情なんだろう。けど、解ったんだ。俺は男の部分も含めて、【自分】なんだ。

守られたいっていう弱い部分も。

お前に辛い想いなんかさせないっていう男みたいな部分も。

全部が【自分】なんだ。両方出せるのは、お前の前なんだ。

だから、傍に居たい。庇護欲でも、同情でもいいんだ。俺が好きなら傍に居てくれ。」

「うん……。分かった。」

嬉しくてニカッと笑う。だが別な問題を思い出した。

「あっ! そうだ、他の男には触らせないって誓えるんだけど。カコに1回だけキスしてやってもいいかな?」

「えぇっ!?」

「あいつ、俺と1回キスしたら澤田と付き合えるって言ってて、あ、それは視えてたんだっけ。」

「ダメ! 絶対、ダメ!」

「なんでだよ? カズヤ君と付き合えとか言ってたくせに、なんでカコはダメなの?」

「その、人間、みな平等、男女垣根無さすぎが心配だからだよ!」

「う。」

「だいたい、ハル、カコちゃんが、1回で済まなくて、2回目とかそれ以上を求めてきたらどうするつもりなの?」

「え~っと。」

キスは平気だろ? その先はどうかな。あれくらいならしてやってもいいか?

「うわぁ~! 具体的に映像で想像すんの止めてよ!」

「スゲー。そんなもんまで視えるのか。エロ本要らずだな。あ、だから、この部屋にそういうの無いんだ。」

「違うから! っていうか、ハル、男の部分出しすぎじゃないの?」

「そりゃ、だってこっちが素だもん。お前に完全に気ぃ許したんだから、そうなるだろ。」

「嬉しいけど複雑だ!」

「まぁ、女言葉は修行するよ。どうせならお前の好みのやつを練習するぞ? 語尾にニャンとか付ければいいか?」

「そんな趣味じゃない!」

可笑しくて、可笑しくて笑う。

ずっと、こいつと喋っていたい。

前途多難な予感で始まった高校生生活。

恋愛を理解しなきゃっていう当初の目標と。

男言葉を早急に直さないとっていう目標は全く守れてないけど。


女友達がたくさん出来た。

男友達はもっと増えた。

彼氏っぽい親友が出来た。

自分の事を少しだけ好きにはなれた。

多難ではあるが前には進んでる。

幸せだ。

俺は今日も笑えている。


『彼女は恋愛が解らない』

終了