Bronia Balicki 秘密諜報部員の本名
私は、晴れた日は、早朝近所を散歩することにしている。
朝早いとは言っても、すでに通勤の車やスーパーに下ろすトラックがぱらぱらと走っている。
よれよれパジャマの上に真っ赤な きちきち のT-シャツを着て 爺さんが 杖をついて歩いていく。
杖がいらないぐらい元気そうに。
ままちゃりに乗ったサラリーマンが、競技用のラメ入りの後ろのとんがったショッキングピンクのヘルメットをかぶってふらふらと走っていく。
「ほんで、向かいのうちのだんな あれ 見つかったの?」
眠い目をしてちょっと眉をひそめてはいたが、結構ほんわかとした心持でちんたら歩いていたら、突然背後から声かけられた。
「をえ」の「え」にてんてん
何だよ急に 一瞬だけど地球が10センチぐらい とうざかったか と思った。
まだまだ修行が足りん スナイパーは後ろから狙ってくる。
しかも、 5日前 に会ったときの会話の続きかよ。
いつも自転車に乗って近所をうろついている年齢不詳職業不詳のおばはんである。
町内会の会合には必ず来て弁当を二人分もって帰る。
この前料理屋であったときは、厨房まで入ってご飯のお替り勝手にやってたな。
ハンドルの上に腕を組んでその上にあごを乗せている。
「なんか見つかったみたいですよ。でも引きこもりみたい。おばあちゃんぶつぶつ言ってたな」
「そんなんじゃ運動にならないわよ。もっと大またで歩かなきゃ。」
「俺はこれでいいの。これが好きなの。」
もしかして 某リヒテンシュタイン秘密諜報員?