5月5日にバングラデシュから無事帰国しました。

連日40度だった過酷なバングラデシュに比べ、

日本の涼しいこと!

 

毎回海外医療援助から日本に帰って思うのは、

なんと日本は清潔で美しく、

良く発展して便利な国なんだろう、

と言うことです。

日本に生まれてよかった!

 

日本が貧しくなったとか、

マスコミはいつも日本の悪いことしか喧伝しませんが、

日本は本当によい国です。

貧しさの度合いが全く違いますし

もし何かあっても国が生活保護など、何かしてくれます。

医療も安く、生活保護などの人には無料で、

しかもお金のある人と同じ医療が提供されます。

 

 

 

帰宅後疲れが出て、

だらだらしながら撮ってきた写真の整理などしています。

病院の照明が薄暗くてあまりいい写真が撮れていませんが、

ちょっとご披露いたします。

 

 

到着した日の夜10時から始めた診察。

まず、すでに入院している患者さんの診察です。

右に抹茶色の制服の女性たちが並んでいますが、

この病院に付属する看護学校学生です。

夜中12時までずっと私たちに付いていました。

しかも目を合わすとにっこりしてくれます。

疲れて眠いでしょうが、素振りには見せません。

 

 

白衣を着ているのがナースたちです。

女性部屋(10人部屋)の中に

ナースステーションがあります(右側の茶色いところ)

 

 

別の部屋です。ベッドが10個の男性部屋です。

ベッドが足りなくなると床にマットが敷かれて床で入院です。

床は入院費が安いです。

以前聞いたところでは、床に寝ると入院費は1日100円くらいだったか・・・

それでも貧しい人たちにとっては高いので早く帰りたがります。

 

入院には家族が必ず付き添うので、

男性部屋ですが、女性がたくさんいます。

入院しても給食はないので家族が作って食べさせます。

 

 

バングラデシュは人口当たりの医師の数は

日本の7分の1程度と少ないです。

 

看護師の数は医師よりもっと少なく、

日本の50分の1くらいしかいません。

人口10000人当たり日本は115人、バングラデシュは2人(2013年の統計)

 

バングラデシュの政府は看護師を増やすように対策をしているようですが、

イスラム教徒が90%以上のこの国では、

若い女性が家族以外の男性に触れるのを嫌うので

看護師のなり手が少ないのです。

 

この病院には付属の看護学校と助産婦学校ができました。

 

ピンクの制服は助産婦学校の学生。

左の3人はピンクのヒジャブをかぶっているのでイスラム教徒。

助産婦は女性にしか触れないので、

イスラム教のお嬢さんに人気があるようです。

右端はナースキャップをかぶっているので、多分キリスト教徒。

右から2人目の抹茶色の制服を着ているのは普通の看護学生。

 

ここはキリスト教徒とイスラム教徒が一緒に学び、働いています。

平和です。

 

 

外来の廊下(エアコンなし)にいた患者さん。

40度の中で黒いブルカを被った女性も多いです。

ブルカの下は普通にサリーとかサロワカミーズ(丈の長いワンピースのような上着とズボンのセット)を着ています。

 

日本人ですか?と声を掛けられ彼女のスマホで一緒に自撮りしたので、

私も写真を撮らせてもらいました。

右手の方向が悪くて上手く写っていませんが、

人差し指と中指を立ててピースサインです。

眼のきれいな、快活な若い女性でした。

 

 

最後にわかりやすい術前術後の写真。

小さいときの熱傷で右の腋の下から手首まで引きつれています。

10歳のハンサムボーイ。

 

 

引きつれを治す手術をした術後4日目。

とても良くなりました.。

わきの下の傷は後ろ寄りなので、

この写真ではほとんど見えていません。

 

 

 

暑い、汚い、臭いが嫌いな私が

もう30年以上もいろいろな国へ

これまで46回も医療支援に行ってきました。

行くとつい頑張って手術をしてしまいます。

 

これはもう、私の運命というしかありません。

でもいい運命をいただいた、と思います。