沖縄の友人がテンペラ画を習いたいという。
京都や東京に出てきたとき、教えてと。
私の習ったテンペラ画は500年前、ルネッサンス時代の
とても手間がかかる技法です。
どうしたら、できるだけ短時間で教えられるのか?
悩んで工夫するのも私にとっていい事かもしれません。
古典テンペラ画はキャンバスができる前の技法で
板に石膏を塗って平坦になるように磨き支持体とします。
彼女のためにあらかじめ石膏を塗り、レリーフまでした板を用意しました。
板に石膏を塗る
平らになるまでサンドペーパーで磨く
これは8割がた磨いたところ
レリーフを作る
今回は2日間の実習です。
彼女はボッティチェリの絵を模写したいと希望したのですが、
初心者には難しい絵なので、
私がテンペラ画を始めて2枚目に描いた絵にしてもらいました。
ポライウォーロ 若い女性 の模写
1日目(4月1日)は金箔を貼る準備。
絵をセブンイレブンに持って行き、
F3の大きさに縮小コピーしたものを用意しました。
描く絵を4Hの鉛筆でトレース。
そして金箔を貼る部分に兎膠(にかわ)で溶いた箔下とのこを塗ります。
ほぼ均等になるまで塗っては乾かし、を繰り返します。
慣れぬ絵のトレースで「肩がバリバリ~」と悲鳴を上げる彼女に
秘蔵(?)の床に置くタイプのマッサージ器を出して来ました。
1日目の夜はもう一人の友人と3人で晩御飯。
彼女が着物を着るのを手伝って
祇園北、古門前町近くにある隠れ家風のレストランで、
美味しい京料理風フランス料理を楽しみました。
昨年も桜の季節に一緒に来たので、
だんだん恒例の集まりになりそうです。
アミューズの後の八寸風なお皿。桜の小枝が添えられて。
お寿司もあって、とてもフランス料理とは思えない(笑)ですが、
結局こういうのが日本人には食べやすいです。
魚はアイナメ、メインは私は鴨肉のソテー。
2日目は金箔貼り。
金箔を貼る部分を水で濡らし、
ウィーン製の金箔(8×8cm 日本製金箔の倍の厚みがあります)を
6つに切って栗鼠の毛の刷毛にくっつけて貼っていきます。
なかなか上手に貼れました。
今回はここまで。
次回は金箔を磨いて刻印をする予定ですが、
いつになるのでしょうか?
着物 藍色の江戸小紋 (人間国宝 中村勇次郎)
袋帯 黒地に雅楽器柄
帯揚 桜色
帯締め 黄色
お太鼓部分 しなやかで締めやすい帯です。