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ルィースによるベートーヴェンピアノソナタ全集第四巻から、最後の三曲を聴いた。ルィースはブレンデルの弟子で、そういわれると音楽の作り方が似ている気がする。ブレンデルのベートーヴェンピアノソナタにも、はまるものとすれ違う物があった。凝った作りであり、私の感性と合えば抜群の演奏に思えるが、一旦醒めると聴くに堪えない物になった。弟子のルィースには、そこまではない。同じように隅々まで、間、緩急、強弱、テンポを微妙に調整し、音楽を構築していくのだが、ブレンデルよりは、まだ覇気のある音楽になっている。最後の三曲は音楽自体大好きなすばらしい作品なので、正直彼の演奏に全く不満はない。ただ音楽を楽しむだけ。三曲を聴いていつも思うのは、最後の32番の、とてつもない時代超過性、ぶっとんでいる。映画Copying Beethovenの中にも出てきたが、こんなジャズのような作品、当時の誰が理解できてスコアを買うんだろう?と。終楽章後半の祈りの場面を聴くたびに、自分が過去に犯してきた「罪」を深く反省させられてしまう・・・。こんな気分にさせられるのは、あとはマーラー交響曲第十番(クック版)終楽章のみ。