シャローム!マーニシュマ?(お元気ですか?)

 

今年もユダヤ新年の時期がやってきました。

みなさん、昨年のユダヤ新年の日付は覚えていますか?

→奮闘記(3)の記事

 

 

 

昨年のユダヤ新年は、9月7日でした。

今年のユダヤ新年は、9月26日です。

 

なんと、3週間近くも違うのです。

ユダヤ暦の祭日は、私たちが使っているカレンダー(太陽暦)では毎年違う日になります。

イスラエルでは9月始まりのカレンダーが売られていてびっくりします。夏になると新しい年のカレンダーを購入して、今年の祭日をチェックします。

 

さて、今回は、「ユダヤ新年」についてお話しします。

 

9月26日にユダヤ暦5783年を迎えます。

西暦はイエス・キリストの誕生から数えて2022年ですが、

ユダヤ暦は何から数えて5783年でしょうか?

 

正解は、天地創造から数えて5783年なのです!

 

今まで、様々なユダヤ教のお祭りについてその習慣をお伝えしてきました。

ユダヤ人にとって一番大きなイベントと言っても過言ではない、このユダヤ新年にもいくつか習慣があります。

 

⑴ショファール(角笛)

明け方から聞こえてくる雄羊の角笛の音。新しい年を迎えた人々へのモーニングコールとも言われています。一日に100回ほど鳴らすこともあるそうです。

 <嘆きの壁でショファール(角笛)を吹くユダヤ教徒>


⑵プレゼントの贈り合い

ユダヤ新年前後には、「シャナートバー!」(良い一年になりますように!)と言って挨拶を交わします。その意味を込めて、親しい友達や親戚が集まると、プレゼントを贈り合います。そのためのギフトセットがショッピングモールにたくさん並んでいます。また、イスラエルの企業では、社員にギフトや商品券などを送るところあります。

<ギフトセット>

 

⑶新年の晩餐

ユダヤ教は日没からお祭りが始まりますが、それはユダヤ新年も同じです。なので、ユダヤ新年は26日ですが、その前日25日の日没に新年の晩餐を親族で囲みます。

昨年新年の晩餐にお招きいただいた家に集まったのは、全部で11人でした。

日本のおせち料理のように、実はユダヤ新年でも食べるものが決まっています。

主にアラブ系の国から帰還したユダヤ人が新年に用意する食べ物を、その意味と共に紹介します。

 

○タマル(ナツメヤシ)

 タマルは「敵を滅ぼす」というヘブライ語に似ていることから、私たちの敵、神様の敵を滅ぼしてくださるように、という意味。

○ルヴィヤ(ササゲ・いんげん豆のようなもの)

 私たちの勝利と功績が豊かになりますように、という意味。

○クラティ(ネギ)

 クラティは「倒す」というヘブライ語に似ていることから、私たちの敵と憎しみ、私たちに危害を加えようとする全ての人が倒れますように、という意味。

○セレク(ビーツ) 

 セレクは「散らす」というヘブライ語に似ていることから、私たちの敵と憎しみ、私たちに危害を加えようとする全ての人が消え去りますように、という意味。

○カラー(緑のカボチャ)

 私たちの悪い判断を引き裂き、私たちの権利があなたの前に呼び出されますように、という意味。

○リモン(ザクロ)

 ザクロは多くの種子を持つため、子孫繁栄の象徴であり、リモンの戒めで満たされますように、という意味。

○ゲゼル(にんじん)

 私たちのために良いお告げを下してくださるように、という意味。

○ローシュ(頭)

 尻尾ではなく魚の頭のように、何事にも先頭に立つものでありますように、という意味。

○タプアフ べドゥバッシュ(リンゴとハチミツ)

 リンゴのように丸く、ハチミツのように甘い一年、つまり私たちにとって良い年になりますように、という意味。

<セデルプレート>

日本のおせち料理は、無病息災や五穀豊穣を願うものが多いのに対して、ユダヤ新年で食べるものは、敵を倒し守られるようにと言う願いが多いです。農耕民族と遊牧民族の違い、といったところでしょうか。新年に食べるものの違いにも歴史を感じます。

 

新年の晩餐にはこれらの食べ物を食べながら、1年を振り返ったり、また次の年はどんな年にしたいか語り合ったりします。昨年、日没から始まった晩餐は、ホロコーストサバイバーのおばあちゃんの話を聞いたり、クイズ大会をしたりして、夜中の2時にようやくお開きとなりました。

<新年の晩餐の様子>

帰宅してすぐ寝てしまったので、残念ながら、明け方のショファールは聞けませんでした。

今年は、早起きをして明け方のショファールを聞いて、ユダヤ新年を迎えたいです。

 

それでは、みなさん、良い一年になりますように、シャナートバー!