「ご飯食べて休むと感覚が鈍っちゃうからね~」
とは、豚トロ王子の言葉。
しかし彼は難なく板をはき、前に進んでいく。
私の体はそんなにも記憶力に乏しかったのか…
しかも悪いことに、店の前は急斜面。
「ゆっくりでいいから降りてきてみ」
と言われても、一歩間違えれば 自動販売機に激突 だ。
「ムリムリムリ、ぜぇ~ったいムリ!!」
私は 14年前のスキー教室 と同じく
安全なところまで尻ですべって降りるはめに。
「今回もまたこれで終わるのだろうか…」
というイヤな予感と焦りを感じていたら、
ふと下りのリフトに乗ってしょんぼり下山する
自分の姿が脳裏に浮かんだ。
あれこそまさに
「はい、私は挫折しました(´A`) 」
とゲレンデの皆さまに公表しているようなものではないか。
いやだ、カッコ悪すぎる。
何が何でもすべって下山するしかない。
その決意が私の 闘争本能 に一気に火をつけた。
とにかく板をはいたまますべる!
どんなにコケてもすべる!
すべってすべってすべりまくる!!
その結果、私は
「ううう、太モモ痛ってぇ~~~!!」
と叫びつつも、
木の葉落としすべり で 無事下山 することができた。
あぁ、魚沼の山並みも輝いて見えるではないか(悦)。
宿に帰って着替えを済まし、缶ビール で乾杯(またかい!)。
夕飯もとりあえず 瓶ビール で乾杯(いいかげんにせい!)。
テーブルには食べきれないほどの料理が並んだ。
他の宿泊客が
「料理出しすぎだよ!こんなに食えないよ!」
と配膳をしていたおじさん(昼間私に板とウェアを貸してくれた人)
に言うと、おじさんは
「ははは、ここに何泊かすると
みんな5キロ太って帰るんだよ~」
とニヤニヤしながら応える。
豚トロと化している腰まわりの脂肪をスノボで燃焼させても、
またここで新たな豚トロがつくというわけか(汗)。
その晩は 花火大会 があるとおじさんから聞き
部屋に戻ってワクワクしながら待っていたのだが、
一日じゅう飲んだビールのおかげでいつの間にか爆睡。
「ドド~~ン」というラスト一発の音で目が覚めたが、時すでに遅し。
風呂にも入らず爆睡アゲイン(おい、運動したんだから汗流せよ!)。
しかし午前0時。
私は ものすごい首の痛み で目が覚めた。
今までの人生で一度も経験したことのない、
首の根元をぎゅうっと締め付けられるような痛みである。
かなりの苦痛で、横になっても起き上がっても
何をしても落ち着かない。
長時間の運転とスノボで疲れきった豚トロ王子は
安らかな寝息を立てていて、起こすのがはばかられる。
「どうしよう…どうしよう」
<次回、生死を分ける最終回>
