星野源の大ヒット曲《恋》のイントロは独特のクセがあるなとは思っていましたが、いざ分析をするとなると「何これ?」の連続でなかなか大変でした。
この曲の主調はKey of Aなので、最初のコードDM7はIV,メロディはAのメジャーペンタトニックスケールであろうことはすぐにわかります。でも、その後に続くG7やA7というノンダイアトニックコードはなに?
頭を悩ませた結果、こう解釈することもできるかなぁ…程度の結論に達したので試論として発表します。
メロディが5音階であること、そしてコードは変化していても調性感が希薄なことから、このイントロは本質的にモードの音楽、つまりワンコードの音楽なのではないかと考えました。
このようにDM7一発で演奏してもそんなに不自然じゃないはずです。でもそれだと間延びしてつまらないのでsus4を挿入して変化をつけてみる。
次にコードをアルペジオの形にしてみます。
さてここでちょっとイタズラをします。アルペジオの各音の音価を二倍に拡大し、それをバスに持っていくのです。
このバス音に無理やりコードを乗っけます。するとこうなります。
《恋》のイントロとほぼ同じ形になりました。次に3拍目のコードを7thにします。
もはや機能和声としては分析不能ですが、サウンド重視ということでもう気にしません(笑)
《恋》のイントロを分解し再構築した結果がこの記事です。星野源本人がこんなことを考えているかは不明(きっと考えていない)ですが、自分なりに腑に落ちる答えを得られたのでよしとします。
ちなみに3小節目はメロディのE音がFに、4小節目はF#に変化しているのでメジャーペンタからスケールアウトしちゃっています。調子っぱずれな感じがなかなか面白い効果を出しているのですが、分析する側としては非常に困りますね(笑)まぁ、これは一種のクリシェみたいなものと解釈してます。
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過去の分析楽曲はこちら。