前回に引き続き中間部の前半[B1]の分析を行います。前回は[B1]でKey of C に転調することで、[A]では闇に包まれていた世界にパッと光がさすこと、その音楽言語が歌詞の内容に対応していることを述べました。

 

今回は[B1]の3-5小節目、"And I am holding back the tears no more"(僕はもうその涙はこらえない)と歌われる箇所を分析します。この箇所のコード進行は F C Am Em ローマ数字でアナリーゼすると IV I VI IIIです。

 

[A]でVIの和音が"If you were here today"と仮定法で悲しみが歌われる箇所で登場したのを覚えているでしょうか。[B1]に登場する VI-IIIの進行がそれに対応しているのは明白です。

すなわち"I am holding back the tears"(私はその涙を堪える)が否定される"no more(もう…ない)"という言葉が歌われるまさにそのタイミングで2つのマイナーコードVI IIIが出現し、涙が溢れる、そのような表現なのです。