I Feel Fineの分析:変則的なブルース、機能和声との対比 | 音楽研究者 藤野純也のブログ:てるむじか

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The Beatles I Feel Fine の分析を行う。

 

【形式】

 

[A]-[B]-[A]の3部形式

 

【[A]の構造】

 

G7 C7 D7の三つのコードの上で、Gブルーノートスケールの旋律が歌われており、ブルースの形式がベースとなっていることは明白だが、トラディショナルーブルースの12小節進行の一部を省略、あるいは延長した変則的な形式になっている点が面白い。
 

 

譜例に示したように、12小節のトラディショナルブルースの4-7小節を省略し、V7が鳴り響く9小節目を三倍の長さに延長したものがI Feel Fineの[A]の形式なのである。

 

【[B]の構造】

 

[B]のコード進行の分析楽譜を次に示す。

見ての通り、なんの変哲もない機能和声的な進行であり、特筆すべき点は何もない。

この上で歌われる旋律にも一切のブルーノートが含まれていない。

 

しかしながら、[A]と[B]を比較すると、ブルースを基調とした黒人音楽的な[A]と機能和声を基調とした白人音楽的な[B]という対比構造が浮かび上がる。それこそがI Feel Fineを特徴づける楽曲構造なのである。その楽曲構造は[A]ではタムを絡めた特徴的なパターンを叩いているのに対し、[B]では普通の8ビートを刻むことに徹するというリンゴのドラミングにも現れている。