ドラマ「破門~疫病神シリーズ」全8話 | 助六ノ映画鑑賞残日録

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「破門~疫病神シリーズ」 全8話 2015年 日本 ドラマ/サスペンス (出演)北村一輝、濱田岳、山下リオ、鶴見辰吾、牧田哲也

 

 

あらすじ)

父親をヤクザの幹部に持つ二宮啓之は、現場のヤクザ絡みのトラブルをヤクザで解決する建設コンサルタントだ。

 

或る日、産業廃棄物処理場の承認を得る為に雇われた二宮だったが、偶然にも二蝶会の強面ヤクザの桑原と手を組む事になる。

 

桑原はダンプで敵対事務所に突っ込んで懲役を喰らった今時には珍しいイケイケのヤクザだった。

 

頭がきれ、腕っぷしが強い桑原に振り回されて何度も命の危険に晒されるヘタレの二宮だったが、いつしか心境の変化が現れる。

 

問題の産業廃棄物処理場の廻って、幾つものヤクザや企業が利権を貪る為に暗躍する中、二宮と桑原のとった行動とは!?

 

 

感想)

北野武監督作「アウトレイジ/最終章」が今週から公開されるからか、国内ハードボイルド映画が急に観たくなった。

 

ヤクザは人間の屑だが、反して任侠映画やドラマには、男気、忠義、義理人情が重んじられ、男としてスルーする訳にはいかない。

 

原作は、このシリーズで直木賞を受賞した黒川博行の「疫病神」と「破門」の2作品だ。

 

「BSスカパー!」の製作した初のオリジナルドラマで、実は勤める事務所の目と鼻の先でロケをしていた(俳優には出遭えず)。

 

とにかく、濱田岳が演じるヘタレな二宮と、北村一輝が演じる武闘派ヤクザの不釣り合いなコンビが良い。

 

大阪生れの北村の大阪弁の台詞は完璧だ。乱暴だが、アドリブとも感じる絶妙の台詞回しに違和感はない。

 

また、その完璧な風貌も役柄にマッチしていた。同業者と対峙した時の睨みは半端無くヤバかった。

 

対して、濱田岳は主人公にも関わらず、出演者の中では一番大阪弁が下手で、台詞も聞き取り難かった(山下リオの方が上手い)。

 

適度な距離を保ちつつ、突き放したり、助けたりと、どつき漫才の如く乱暴で理解し難い二人の関係が見所だ。

 

原作小説は未読なので、ぜひとも購入してシリーズの読破を目指したい。二人のテンポ良い関西弁の応酬が面白いらしい。

 

因みに続編ドラマも放映済みであり、佐々木蔵之助と横山裕で映画化にもなった。

 

★★★★★(満点★5つ)