「戦争の犬たち」
1980年 アメリカ
クリストファー・ウォーケン(主演)
トム・ベレンジャー(共演)
ジェイミー・シャノンは傭兵部隊の隊長だ。
中央アメリカでの仕事を終えて帰国後
南アフリカのザンガロの調査を依頼される。
カメラマンと身分を偽って単独で潜入するが
警察に拘束され拷問の末、強制退去を命じられる。
九死に一生得たシャノンに今度は
ザンガロで軍事クーデターを起こす依頼がくる。
実は現独裁政権を倒し傀儡政権を擁立後
豊富なプラチナ鉱脈の利権を独占しようと画策する
英鉱山会社の策略だったのだ。
シャノンは仲間を集め、武器を調達して
再びザンガロに向かった。
果たして、クーデターは成功するのか!?
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少し前までSF映画ブームだったが
「ブラックホーク・ダウン」のBDを再鑑賞してから
久しく忘れていたミリタリー魂に火が点いた。
やはり、ミリタリーオタクの血は常人より濃かった。
で、最近は新作よりも昔の名作を鑑賞する傾向にある。
DVDを購入するも1回しか鑑賞してなかったので
再鑑賞に挑んだ。
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謀略小説の第一人者である
フレデリック・フォーサイスの原作を映像化だ。
フォーサイスは実際に「ジャッカルの日」で稼いだ莫大な印税で
兵隊と武器を調達して某国で軍事クーデターを画策した事は
有名な話だ(逸話でもある)。
その経験を下敷きに書かれた小説が
「戦争の犬たち(The Dogs Of War:1974年)」だ。
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先ずは冒頭のド派手な脱出場面の凄さに圧倒される。
DVDだが意外に画像は鮮明で迫力があった。
残念ながらl国内外ともBDの販売は無い・・・・。
劇中での瞬き率少なし
鋭利な刃物を連想させる彼の演技は
常に狂気と怒りが孕まれ、
恐ろしい程に緊張感を強いられる。
本作品では強い意志と、有無を言わせない
強いリーダーシップで部隊を率いる。
若き日のトム・ベレンジャーも出演
本作品ではクーデターを起こすまでのプロセスが
簡略に描かれている。
現地調査→兵士募集→武器調達→訓練→作戦実行
主義主張に鍵をかけ、信じられるのは金と仲間だけ。
極限に磨かれた技量と運で世界各地の戦場を
渡り歩く傭兵には男の浪漫を感じざるを得ない。
たとえ、今日明日の命であっても、
善悪を超えて何かを成し遂げる為に生死を懸ける者達には、
男子たる者、憧れを抱いてしまうのだ。
序盤~中盤までは派手な場面もなく
謀略スリラー的な進行は小説を読んでいるようで面白い。
その分、堰を切ったように終盤のクライマックスでは、
大規模なセットに大量の火薬を使い
臨場感溢れる迫力の戦場が描かれる。
CG合成が当たり前の昨今、
生々しい戦闘は一見の価値ありだ。
惜しみなく消費させる弾薬に栄光あれ!!
★★★★★(満点:★5つ)