未来に希望が持てない時代。
漆黒の闇のの中に、
少しでも光を見出したいと望む人が多い時代。
そんな時は、ニーチェの箴言が人気を呼ぶ。
しかし、ニーチェの警句は、
人々を本当に癒すことができるのだろうか?
例えば、
「人間は深淵に架けられた一本の綱である。
渡るも危険、途上にあるも危険、後ろを振り返るも危険、身震いして立ち止まるのも危険。」
ツァラトゥストラはかく語っているのですが、
こんな言葉の中に安心があるとは思えないのですね。
警句の塊は、
人間の意識に働き掛けて、
確かに多くの刺激を与えてくれる。
箴言の元祖、ラ・ロシュフーコーも言う。
「われわれはみんな、他人の不幸を平気で見ていられるほど強い」
これらは、全て
言葉に含まれた暗喩であるわけです。
どのように解釈するかは、
個人にまかされる。
どのように解釈しようと勝手なのだから、
箴言の普遍性はない、と、
そう考えながら読むのがいい。
知的な装いに、
私達は、騙されたいのかもしれない。
過酷な現実に対する漠然とした不安を感じる時代だから。
しかし、本気になって、
深淵をのぞいてはいけませんよ!