NHK白熱教室を見て考えること | 考える道具を考える

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The instrument which I think

名門ハーバード大学。
マイケル・サンデル教授のJustice正義というタイトルの授業がはじめて公開され、その映像が毎週日曜日の夜6時から教育テレビで放映されている。全部で12のテーマ。6月20日まで続く。

門外不出の大学の授業が、映像で全世界に流れているのですね。

政治哲学というジャンルは、今までそんな興味があったわけではない。
しかし、この授業で展開されている議論は、
一般市民の私でも刺激に溢れていますね。

例えば、第3回のテーマ「富は誰のもの?」では、
アメリカのスーパースターであるマイケル・ジョーダンとビル・ゲイツが取り上げられ、彼らが得ている収入を、税金という形で国が取り上げることは、強制ではないのか? という問いが投げ掛けられる。

市場原理主義が渦巻くアメリカにあって、富を得たものは、自らの努力によって得たのだから、その富を国が強制的に税金として収奪するのはおかしくはないか? という問いだ。

税金を払うのは国民の義務だと、何の疑問もなく思っている私達は、改めてこういう問いを投げかけられると、びっくりする。富を膨大に得た人間は、社会からの恩恵にあずかっての結果なのだから、社会に還元するのは当り前だという考え方と、そもそも国が、個人の努力によって得た富を再度収奪していくのはおかしいという考え方がディベートされる。

それにしても、この議論を見ていて、
日本の国の形を考えてしまった。

まずは、そもそも、日本にはビル・ゲイツやマイケル・ジョーダンのようなスーパースターはいない。あるいは、そのような突出した存在を認めたがらない風潮がある。集団嫉妬の国民などと言われる。

また国も、その権力を使って、突出した人物の存在を許さない気配がある。
莫大な富を得た人物は、必ず突き落とされる、場合が目立つ。

水泳の北嶋選手がどんなに金メダルを取ったところで、その代償に莫大な富を手に入れたとは思えない。いやむしろ、だからこそ、赤貧の美学にすら仕立て上げられているのかもしれない。マラソン選手のプロ化が叫ばれたが、世界大会で勝っても、賞金の額は知れている。マラソンで莫大な富を得たという話は聞いたことがない。

日本人の富と再配分の考え方は、国家主義的だといわれることが多いのは、こんな事例を見ても分る。では、日本の大学教授で、このような日本の現状を、サンデル教授のように授業で展開している方がいるだろうか?

‥‥いろいろ、考えさせられますね。
  そうそう、考えさせられるということが、教育の最大の効用なのでしたね。

続きが楽しみです。

今日も元気で!