阿修羅像の右の顔 「忍」の表情に人間性を強く感じる | 考える道具を考える

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考える道具を考える-阿修羅像
奈良・興福寺に所蔵される阿修羅像が上野に来ている。

三つの顔と6本の腕を持つ小柄なこの像。仏法の守護神であるにも関わらず、その凛とした表情に少年のようなあるいは少女のような清新な輝きすら見る人も多いという。
天平仏師の力量を示す阿修羅像には、永遠の問いかけがあるようにも見える。

  ‥おまえは、誰か?

三つの顔の中で私が引かれるのは、正面右側の顔(写真)。この表情は「忍」を表しているといわれています。(ちなみに左の顔は怒りの顔とも‥)。眉は憤りの逆への字でありながら、目はどこまでも哀し気で、唇はしっかりと引き締めている。

世界の悪や不正など、負の部分に目を向けて戒めているようでもあり、悲しんでいるようでもあり‥。

怒りと悲しみを左右に配した阿修羅の顔には、人間の六道を考えさせられる凄みが実はあるんだな‥と思わずにいられません。