悔しい思いを上手に調教してあげると、
人間は成長すると信じている。
しかし、その悔しい思いは、
時として他人を恨み、社会を恨む方向にも行きやすい。
悔しい思いをしている自分の中に、
その思いの原因を探ることが、
成長への歩みを始める第一歩なのだが‥‥。
私は、30歳で大企業という看板を自らはずした時に、
多くの人の態度が豹変することを知った。
実に悔しい思いをした。
他人は私という個人を信頼しているのではなく、
私の背後にある企業ブランドを信頼していただけだと知った時、
私は自分の未熟さに本当に悔しい思いをした。
その後、様々な悔しい思いを経験してきたが、
その都度私は自分に言い聞かせた。
‥‥この思いこそ、自分の成長のための糧になっているのだ!
最近になって、ある青年が私を訪ねてきた。
私の会社で働きたいという希望を持っていた。
しかし、私は、その青年が、自らの成長のための転職を望んでいるのではなく、
現在の会社に対する漠然とした不満を抱えて転職したいだけだという本音を見てしまった。
私は、当然、厳しく叱責し、
今ある自分の立場で、精一杯努力しているかどうか考えてからでなければ、
この希望をかなえることはできないと断った。
その時の青年の顔は、
悔しさに満ちているように思えた。
彼の悔しさは、
どちらの方向に向かっていたのだろう。
私の冷たさに対してか‥‥それとも‥‥。