
「白川静―漢字の世界観」(平凡社新書 2008年11月刊)が異例の8万部突破を記録したという。専門書のジャンルでは間違いなくベストセラーでしょう。
生涯に亙り漢字の起源を探求した国学者白川静さんの評価が、この一冊で爆発的に向上したのかどうかは分からない。しかし、松岡正剛さんが、かつて「千夜千冊」でも取り上げていた白川さんの営為について、ここでその入門書とでもいえる分かりやすさで纏めていただいたことは、大きな出来事だといえるでしょうね。
白川さんは、こんな風に言います。
‥文字は神と人との交通手段でした。
「口」はクチではなく、祭祀のときに神への願い事を収める神聖な器の形サイです。
漢字が人と神を繋ぐ記号であると看破した白川さんの業績は、
独特の「常用辞解」にまとめられていますが、この辞書を読んでいるだけでも夢が膨らんできます。
‥文字を書くことは、心から願い、祈ることである。
松岡さんのこの新書は日本人なら手にとって読んでおきたい一冊です。
※写真の「子」という文字。子は殷では王子の身分称号のことだったと言います。