伝説のスティーブ・ジョブス「神の交渉力」を読んで考えた | 考える道具を考える

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ジョブス
2007年に経済界から単行本として出版された「スティーブ・ジュブス 神の交渉力」(竹内一正氏著)が今年新書版となって登場した。

ジョブスといえば、アップルの創業者であり、追放から奇跡のカムバックを果たした後、iPod、iPhoneを生んだ天才でもある。そのプレゼンテーションは、プロ中のプロで、大衆を感動させ、酔わせ、虜にすることでつとに有名ですね。スタンフォード大学での伝説の講演は、今でも印象深い。


彼は、重く自由のきかないコンピュータを、誰でもが気軽に使える「オブジェクト指向」の道具として変換させましたね。その哲学は、現代のパソコンの基本思想になっているといえます。

本著は、この天才ジョブスの元で、日本のアップルにいたことのある竹内一正さんが、悪魔のような天才のビジネス交渉術をインサイドからレポートした一冊です。



そして、外から見たらとてつもない天才であるジョブスの、裏側が次々と描かれていく。

 ‥‥極端な自己中心的な人物であり、人の恩情をものともせずに裏切り、そういう自分を全面的に肯定し、全ての手柄を独り占めにする。気に入らなければ優秀な社員でも即刻クビにする独断と専制の社内体制‥‥。

こんなエピソードの記述が延々と続くのです‥‥この本は。


Macとそこに辿り着くまでの開発の裏側の悲惨な現実との乖離に、読んでいて愕然とすることばかりでした。天才的なビジネス交渉術とは、こんな滅茶苦茶なことなんだろうか? 恩人を裏切り、報酬と賞賛を独り占めする人間の何に、多くの人は共感するというのだろうか?

今、60歳を目前にした天才ジョブスは、何を成し遂げたかったのか?
スタンフォード大学の講演の最後にジョブスは学生にこう伝えたのでした。

   ‥‥ハングリーであり続けろ! 愚かであり続けろ!


一体、この本をどう読んだらいいのか、困った一冊でした。


とはいえ、私の中のMacは、憧れのデザインであることに変わりはないのですが‥。