私は横浜に生まれたので、港町が好きだ。横浜のほかでは、神戸、函館、そして長崎。
港町は、波止場を見下ろすように四周を囲む小高い丘が複雑に入り組んだ地形を持っている。港から見上げる丘と、丘から見下ろす町。横浜の外人墓地から港を見下ろす視線が持っている郷愁の感覚は、神戸にも、函館にも、長崎にもある共通した心地よさですね。
久々に長崎に行き、よせば良いのに竜馬が造った「亀山社中」の跡地がある小高い丘に登り、そして長崎の港や市内を見下ろした。写真は観光スポットの一つ、竜馬のブーツがある高台から、長崎市内を見下ろした視線を写したものです。
長崎には、歴史上「一番最初」という場所が多い。江戸時代に出島が置かれ、オランダや中国などとの交易の要所でもあったわけですから、海外の文化が最初に入ってくる場所でもあったわけですね。カソリックの天主堂がいくつかあり、興福寺などの隠元禅師が開いた禅の始まりのお寺が立ち並び、そして竜馬が設立した「会社」もある。宗教、文化、教育などの様々なグローバル化が最初に進められた地としての魅力が、この港町にはまだまだ色濃く残っています。
そして、いつも思うことは‥。
‥‥この高台に立って港を見下ろしていると、
歴史の時空を超えて、竜馬が見下ろした視線と同じ視線で、
21世紀の今を見つめることができる‥ということ。
時代のイノベーター坂本竜馬だったら、今をどう見る?
観光地の景勝を、見る側で見るのではなく、歴史のどこかに歩んだ過去の英雄達と同じ目線で、港町を見下ろすことができるということの驚き。
‥‥港のある町には、夢を感じる場所がある。
夢を感じる時間がある。
この「時空超越」を体験するために、急勾配の小高い丘に登ってみたいという、そんな衝動が私の中に残されている限り、私はまだ健全だと感じることができる。
だから、港町が、私は大好きだ。