NHKその時歴史が動いた「戦国ゲルニカ」に見る大阪の陣の悲惨 | 考える道具を考える

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一昨日の25日夜放映されたNHKその時歴史が動いた「戦国の「ゲルニカ」 大坂夏の陣、惨劇はなぜ起きたのか」はショッキングな内容だった。

大坂の陣といえば、徳川家康が豊臣家を滅ぼし、天下統一を完成させた戦いとして知られていますが、関が原の戦いが歴史の陽の部分として語り継がれたのとは反対に、大阪冬の陣と夏の陣は、影の歴史的事実として位置づけられていますね。

番組では、戦いの直後に作られた「大坂夏の陣図屏風」に克明に描かれている民衆を巻き込んだ悲惨な戦の歴史的事実を検証しながら、大坂の陣(夏の陣および冬の陣)を、被害者となった民衆の視点で捉えたものでした。

  ‥‥「男、女のへだてなく 老いたるも、みどりごも 目の当たりにて刺し殺し
     あるいは親を失い子を捕られ 夫婦(めおと)の中も離ればなれになりゆくことの哀れさ
     その数を知らず」末吉増重(町人)の記録「見しかよの物かたり」(個人蔵)より引用から。


日本人の歴史認識は、何故か、奇麗な部分だけに照明を当てて、暗い部分、悲惨な部分をみようとしない傾向がありますね。戦国時代の終焉を迎えた1600年前後の戦は、「もう好い加減に、殺し合いはやめよう!」と思わざるを得ないほどの悲惨さであったことが、この一枚の屏風に残されているのです。


歴史は記録される。
そして人々の記憶の中に再現される。

仕方なく戦に参加した兵士達の恩賞争いへの狂った欲望が、人間としてのタブーを引き剥がしていく。その心理的プロセスは、状況に対する自己防衛の心なのでしょう。「仕方がなかったんだ」と言って、公然と人を殺害することが‥時に犯罪者、時に英雄となることのおかしさを、私達は学ぶべきなのでしょう。

今、私達を取り巻く状況が、姿を変えた大阪の陣になっていないか‥冷静に観察し分析しなければならないのかもしれませんね。

    ‥‥人は大義さえあれば、人も殺せる!
      その大義とは、誰のための大義なのか?