知の予感 識者の書斎を見るのが好きな理由 | 考える道具を考える

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吉本隆明書斎私は、識者や知見者、あるいは芸術家、作家、画家、音楽家などの「書斎」を見るのが好きだ。

月刊PLAYBOYの最新号に「この人の書斎が見たい!」という特集が掲載されていたので、駅の売店で購入した。(かつてはこの雑誌を手に取ることに、恥ずかしさを感じていた時代があったことを思い出した‥‥購入して初めて、そんな10代の頃の純情な記憶が蘇ってきたのだが‥それはともかく)

吉本隆明さんの書斎がメインのこの特集(写真)には、内田 樹さん、佐野眞一さんのほか、私が若手落語家として最も注目している立川志らくさんまで入っている。外国人では、ガルシア=マルケスさん、ピーター・バラカンさんなど。

‥‥

「書斎」‥‥それは、知の集積の基地。
そこには、創造者の決して他人には見せない苦闘と、新しい発見との出会いの時の予想外の「一人喜び」(こんな言葉があったかな?)の姿が隠されている。

だから、私は、書斎を見るのが好きなのですね。

それにしてもこの特集に掲載されている吉本隆明さんの書斎に関するエピソードにはいろいろ考えさせられることがありましたね。

例えば、「共同幻想論」を上梓した頃の吉本さんは、最も社会に影響を与えた思想家として活躍していましたが、その時分の吉本さんの書斎に訪れた人の印象では、いわゆる蔵書に囲まれた「書斎」のイメージとはほど遠かったといいます。小さな書棚二つくらいに、その時に必要な書籍が並んでいる。

天井まで届く書棚に重厚な書籍が覆い被さるように配置されている書斎ではなく、あくまでも、その時に必要な資料を手元に置く。そんな感じだったそうです。
(それにしても、眼を悪くしている吉本さんの書斎には、文字を拡張するディスプレイが置かれていますね。活字を大きくしてこのモニターで読むんだそうです。)今、吉本さんの思考の中で、日本はどんなふうに見えているんでしょうか?

知の気分ではなく、知の予感‥。
それが私の「書斎」愛好家としての探検心なのかもしれません。
playboy