
東京都中央区。
佃大橋よりリバーサイドの夕暮れの風景。
この絵は、写真ではありません。
杉山八郎画伯のペン画によるものなのですね。
ブログでは再現性が落ちるので、
その繊細な筆遣いが見れないのが残念です。
根津、下谷、上野、佃など、
東京の下町を描き続けた杉山八郎さんは、
戦争の被害を逃れた下町の家並みを、
ペンという筆でスケッチしていきました。
杉山さんは、多くの木造家屋を描き、
人の香りがする、その暖かな筆致に、
どの絵を見ても、しばし、うっとりします。
この絵は、その中では、珍しく、
川面と高層ビルと夕暮れを描いています。
東京の町は、今、どんどん変わっています。
高層ビルやマンションが林立し、
昔の路地や軒のある家屋が消滅していきます。
例えば、最近、有楽町の駅前が劇的に変化しましたね。
駅前に丸井の「ITOCiA」(いとしあ‥と読みます)が完成し、
ついにガード下文化が唯一残されていた有楽町の
ドヤ街を思わせる雑踏が、ほぼ消えてしまいました。
駅を降りた視線の先には、東急ハンズ。
どこを見渡しても、アジアン、和食、イタリアンなどの
瀟洒なダイニングレストランが軒を連ねています。
街が変わり、ショップも変わり、雑踏というには奇麗過ぎる
銀座、有楽町には人が溢れていますが、
そこに「人の香り」がしないのは、私だけでしょうか?
繊細なペンにより再現される杉山画伯の絵の中に、
残されていく東京、下町の記憶を大切にしたいと思っています。