
CIAの誕生秘話を描くシリアスな映画だ。
3時間に及ぶ長い作品だが、サスペンス的な伏線もあって、飽きさせることはない。この種の「裏面史」が好きな人には、十分楽しめるでしょう。
主演の諜報部員役にマット・デイモン、その妻役にアンジェリーナ・ジョリー、ロバート・デ・ニーロが、監督、製作、出演の3役をこなしている。
‥‥作品のストーリィ解説は、概ねこんな感じ‥‥
‥‥‥‥イエール大学でエリートコースを進んでいた青年、エドワード・ウィルソン(マット・デイモン)は米軍にスカウトされ、第二次世界大戦中の戦略事務局(OSS)で諜報任務に従事することになる。終戦後、OSSの延長線上に創設されたCIA(アメリカ中央情報局 )の一員となり、世はソ連との冷戦時代に突入する。そしてCIA最大の汚点と言われた「ビッグス湾事件」の失敗の原因を追求していくうちに、エドワードは国を守るか家族を守るかの究極の選択を突きつけられることに…。ひとりの諜報員の波乱に満ちた人生を追いながら、米CIA成立の過程を描いた問題作。‥‥‥‥
映画の中で、基調低音となっていたのが、“スカル&ボーンズ”の儀式。白人至上主義のこの秘密結社の超エリート存在は、過去、アメリカの大統領だけでなく、政治、経済の権力のほとんどを掌握してきた集団でもありますね。
一方で、家族と政治との軋轢を描いてもいます。分厚い眼鏡をかけたマッド・デイモンの演技もCIAという特殊機関が背負っている不条理さを見事に反映させていたと思いましたね。冷徹、沈着、非情、陰謀、諜報、駆け引き、殺人‥‥。ほとんど感情を表に出さない頭脳派の彼の心の波は、ついには、最も自分らしくありたい家族の前でも「押さえられている」。
映画の後半に、情報提供者として登場してくるイタリア移民の富豪の言葉が、この映画の主題なのかもしれません。
‥‥イギリスには伝統がある。黒人には音楽がある。イタリアにはファミリーがある。でも、君に何があるんだね? ‥‥デイモンは、表情を崩さずに言い放つ‥‥私にはアメリカ合衆国がある。‥‥
今の日本には‥‥何がありますか?