エレンディラ 蜷川幸雄演出 中川晃教さん 美波さん 好演 | 考える道具を考える

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中川君
 埼玉県与野にある彩の国さいたま劇場と、世界のニナガワとのコラボレーション企画、「エレンディラ」を観た。

 若き才能を溢れさせる中川晃教さん(写真は稽古場での中川さん)と、南米テーストを十分に発揮している女優 美波さんが、南米コロンビアの伝説的な物語「エレンディラ」を好演している。

 この舞台、4時間10分という長編だが、終わってみればその長さが感じられない充実したもの。物語は、瑳川哲朗さん演ずるエレンディラの祖母に育てられているエレンディラが、ふとしたことから火災を起し、財産を全焼させていまうことから、祖母はエレンディラを娼婦として働かせ、その償いをさせるという縦軸に、娼婦のテントに関心を持った中川さん演じるウリセスとの出会いと燃えるような恋愛が横軸に絡んでいく‥‥。

 高原と砂漠と海という自然を持つコロンビアの様々な場所を転々としながら娼婦のテントが移動する。最後は、ウリセスが、惨い仕打ちをする祖母を殺害するという物語‥‥。

 強い風と伝説とカーニバルと‥様々な幻想的な描写を、ニナガワ演出は独特の手法で展開しているように見えた。
 そして、物語の結末は‥それは、観てのお楽しみ‥。
 
 ‥‥

 幻想的描写は、物語の背景であり、エレンディラの心の中の幻想とも対照していくのが、この物語のポイントになっている? 翅を生やした人間、蜘蛛女、ダイヤモンドを内臓したオレンジ、心のときめきを表現する七色に輝くコップ‥。これらの全ての幻想的描写は、ある意味、美波さん演ずるエレンディラの心象風景だったのかもしれない。

 それにしても中川晃教さんの、初々しい若者像、女性が望む理想的な若者像とは、こんな男性なのか‥と思わせる演技に、ため息がでましたね‥。