仏教的実践論 法句経をマンガで読む | 考える道具を考える

考える道具を考える

The instrument which I think

 仏教的生き方
 私は、「マンガ 仏教的生き方」(大和書房2006年9月刊 写真)という文庫本を、いつも持ち歩いている。勿論、私は仏教徒ではない。何かに信心しているわけでもない、普通の凡人だ。

 このマンガ文庫本は、2006年2月に発行された「マンガ 仏教入門」の姉妹版の形で発刊された。マンガで仏教を学習するなんて‥という抵抗感はあったが、何気なく手に取ったこの文庫本には、仏教の基本が実に分かりやすく描かれている。

 私が尊敬する禅師 玄侑宗久さんが監訳していることも安心できた。

 そして何よりも、この本の好きなところは、主人公の釈尊の絵が、何とも可愛らしいのだ。悟りを開いた釈迦の言葉の数々。それらは、2500年に亘って仏教の経典の源となった言葉なのですが、作画の蔡志忠さんの絵は、実に自然に滑らかに、そして奇麗に、可愛い‥そんな釈尊の表情を捉えているのですね。

 本著は、玄侑禅師がはしがきで書いているように、「法句経」という仏教の実践論集とでもいうべき内容を下敷きにしている。ソクラテスもキリストも孔子も、自分では何も書き残していないように、釈尊も自分では何も書き残してはいない。

 その語りを持ってして、弟子たちが書き残したもの、しかも理論書ではなく実践指導書として書かれているのが、この「法句経」なのだという。

 一つ私が好きな言葉は、「知足」。足るを知るという言葉で、その意味することは、「だいたいの苦悩は、己の心の不満足からきている。それを何かで穴埋めしようなどと思わぬこと。足るを知り、今あるを楽しめば、苦悩も容易には生じない‥‥」

 当然、今楽しければそれでいいという達観ではないことは確かです。

 とはいえ、恐らく凡人の私には、生涯をかけても悟れない様々な実践理論の言葉たち。その一つでも、身につくように、マンガをポケットにいれているのです。