レ・ミゼラブル 日本初演20周年記念の岡幸二郎さん | 考える道具を考える

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The instrument which I think

岡様
 ということで、レミゼ日本初演から20年目を迎えた今年の記念公演が始まった。

 20年前といえば、1987年。日本のミュージカルは、まだ一部の熱狂的なファンのものであった。そして、20年後の今年、2007年。多様な年代の観客に支持され、日本の舞台シーンの中に定着しつつあるミュージカルは、見る側の文化的意識を高めていく大きな役割を占めているように思える。

 ここ数年のレミゼの中で、私が注目しているのは、岡幸二郎さんだ。185センチを超える長身と、日本人の心を刺激する声質でありながら、十分に安心して楽しめる声量。

 今の舞台での彼は、主演のジャンバルジャンを生涯に亘って追い続けるジャベール役と、貧民街育ちでのちに市民革命の戦士・リーダーとなっていくアンジョルラスの二つの役を担って登場している。

 ‥‥戦う者の歌が聴こえるか 鼓動があのドラムと響き合えば 新たに熱い命が始まる明日が来た時 そうさ明日が‥‥

 海外では、全世界何十カ国で上演されているこのレミゼ。そして、海外の舞台に登場する役者達は、一人一人のアイデンティティが際立っており、個が全体を創造するイメージが強い。しかし、日本のレミゼは、アンサンブルや出演者の調和性が重視され、全体のドラマの中の個のイメージが強い‥と私は思っている。

 それが、日本人が演じるレミゼの独自性であり、個性かもしれないと、密かにに確信しているのですね。そしてこの調和性こそが、日本人に親しまれるレミゼとして、さらに大きく成長していくことの基盤なのかもしれないと‥。

 ‥‥でも、この舞台だけは、私を文句なくミーハーにさせてくれる。それで十分である。