卓越した観察力 | 考える道具を考える

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バード観察力 一枚の美しい線画がある。明治時代の日本を描いた「素描」である。
 これは、新異国叢書第III輯「バード 日本紀行」(I.L.バード 著 楠家重敏・橋本かほる・宮崎路子 訳)という比較的地味な書籍だ。ヴィクトリア時代の「レディ・トラベラー」を代表する人物イザベラ・バードによる日本旅行記である。大英帝国の最盛期の時代に来日し、数ヶ月間日本に滞在し、克明に日本を「観察」した記録でもある。

東京経済大学助教授 安川隆司氏 によると‥

 「‥‥バードの並はずれて鋭敏な観察力と的確な表現力は、1878年現在の日本をきわめて忠実に保存している。明治の人、街並み、鳥獣虫魚。彼女の描写の迫真さは、こう書いては語弊があるかもしれないが、不気味なほどである。活字を追いながら、私たちは、画像・映像を見るのと同じ刺激を受けることになる。ちょうどセピア色の古写真を眼にする時のような感覚と言ったらよいであろうか。‥‥」

 観察力‥‥観察の成果は、言葉で映像化した時に、後世に残る資料として確立される‥‥そんな風に思わせる営為であるわけですね。

 ‥‥‥では、どのようにしたら、こうした観察力を手に入れることができるのか?

 トニー・ブサンの「売れる脳トレ」の中に、こんなトレーニング法が紹介されている。

 卓越した営業マンは皆、すぐれた観察者だ。顧客のしぐさや表情の隅々まで目をくばり、瞳孔の開き具合まで分かるのだ。‥と前置きして、

  ①身のまわりで赤色の入ったものを10個見つけて、書き出しなさい
  ②五種類の異なる音を聴きとり、書き出しなさい
  ③体で感じていることを意識し、五つ書き出しなさい

 ここで重要なのが、書き出すことでしょうね。マインドマップを作りながら観察記録をつけるのも一つの方法だと思います。書き出していくと、確かに、今までみていた風景が変わっていくという体験ができるのも不思議です。

 一度、お試しください。