
昔、お祭りはファンタジーの世界だった。
その雰囲気をそのまま再現しているかのような東京浅草の「駒形どぜう」のシンボル。‥‥江戸文化道場‥‥というサブタイトルにも、永六輔さんらの赤提灯にも、伝統の世界を演出しようとする意図が感じられる。
鏡の国に入っていくアリスのような気分で、私は、こうした食の空間に入っていくことにしている。子供の頃の、お祭りに行く時の自分を見るような気分を楽しんでいる。
記憶の底にある「脳の中の過去の事実」を、現在の赤提灯の空間で再現し、新しい記憶として定着させようとするかのように‥‥。
美味な「どぜう」を味わいながら、多分、ご機嫌な自分の姿を、少し離れた場所から眺めている自分を感じる。この写真の赤提灯の前に立っているもう一人の自分を振り返りながら、「そろそろ中に入って一杯やりなよ‥」と言っている自分を見ている。